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義賊~暁の林檎  作者: ふ~ん
24/59

旧知

こんばんは

 特にステータスを表示すること無く俺はすんなり通る事になった。

 それは何故?というのを振り返ると


「あー。何も重なって盗賊の職陣ということですか?そう言えば、ウチの職員にも孤児院出の方がいましてね。

 アナタでしたか?『俺らの英雄王!名は』ですね。……そして、取り仕切っていたのがアリサ様でしたのですかね。」


「フン!俺は名も無き流れ者。それは義賊という……」


 カウンターの人は、俺を知っていると言われる職員の話をしながら、サッサと整理してアリサ先生とエリザベレスが書いた書類。

 更には、俺が生のお尻を確認してから自ら書いて記載し終えた書類を、トントンと纏めて『ソレ、知ってます。【風】でしたね?』と見事!言い当てた。


 俺の決め台詞をこうもあっさりと言うなんて、キサマ!?まさか!


「義賊に成りたいのか!?」


「全然違います。ただの、耳にタコが出来る程にバカな人が居るので、彼に聞いたところ『同じ釜の飯を食った仲間』と言っていたので……そこで気付いたのです。」


 ええ!?誰だろう?昔を思い出すと、先生とルルル意外の孤児の人数は全員で十六名いた。

 孤児院には、院長とかいう見たこと無いババアとその下で働いていたアリサ先生ともう一人の先生・掃除のオッサンがいる。

 孤児は俺を含めて十七名いる。


「ま、そうだろうな。そんな簡単には義賊を名乗らない方が身のためだぞ。」


「名乗らないし、彼も名乗って無い。」

(だけど、本当にウチの彼氏が酔った時の夢物語をする時の人物が私の目の前にいるなんて。

 ギルド内は恋愛禁止だけど、仕事が終わったらっちゃんに話してみようっと。)


 言葉はきついが、俺の尻を出しても微動だに反応しないとか珍しいし、特にキレても居なかったというのもあって、俺は彼女が言う『彼』に興味を湧いて行く。


「別に興味は無いが、その彼とは?もしや!『どん』ちゃんか!?」


 カウンターの彼女は、頭をポリポリと書いてボソッと


てつってアダ名……」


「鉄!アノ鉄か!?」


 別に『誰!?誰なの!?』というのは無い。だって、先生は知ってるしエリザベレスなんてモンは興味すら湧かないといった感じだ。

 だが、言うさ!


てつのアダ名は、叩けば叩く程に変化する奴の事だ!

 そう!……あれは俺が鉄に『歴史に何かを残す為にデカイ事をしよう!』と、話を持ち掛けた際のことだ。


 てつは当時、何故かは知らんが通称ゴリラを好きで好きでな。そのゴリラに良いところを見せたかったのだろう!……

 作戦実行日、俺はてつが用意したハシゴが有る場所へ行くとソコに先生とゴリラがのさばっていた。

 先生の足元には、尻が真っ赤に腫れたてつが倒れていてな……」


 そこまで誰も突っ込みを入れなかったが、突然パン!と手を叩いて『思い出した!』と言うのは先生だ。


「あー。あれは、彼がルルルに情報を垂れ流していたのよ。

 で、私は『簡単に仲間を売るな!』ってお仕置きをしたのよ。」


「大人というのは、身勝手な嘘をつく種族よのぉ……鉄がそんな事をするハズは無い!

 現にアノ一件から『もっと!ゴリラを苦しめる方法は無いかな!?』と俺と一緒に敵視して、目指す目標を追い求めたもんだ。」


「だけど、その度に見つかる速さも変だと思わなかった?」


「どうせ、あのチクリ魔王が本領発揮したんだろ?そして、ウホウホ言って先生を呼んだんだ。」


 鉄の話を、成る程!という感じで聞いていたカウンターの彼女は


「やっぱり、叩けば王道の道筋に戻るんですね。情報、ありがとうございます。

 まあ、そのルルルってゴリラはちょっと会ってみたいですね。」


 ニコッと笑い彼女は俺達を二階へと通した。

 コツコツと階段を上がって行くと、正面に両開きのドアがあって扉の前には複数の冒険者が座ったりと何かを待っていた。


「会議の参加しているギルド名は何かな?」


 ズラリと冒険者がたむろっている中で一人、紙とペンを持った職員が立っていた。


「あ?俺はギルドじゃねぇよ。俺は!俺こそが!!自由を愛し仲間を愛し色々愛する者!名を暁のボス!」


 クネクネとビシッ!ガシッ!と決めポーズを取った後に見定めた俺は先生を見た。

 特に動かないかった。


(おかしい。俺が義賊の決めポーズを取ったのに、俺の後に全然着いて来ないのは何故だろうか?)


 仕方ない!もう一度


「俺はぁ……俺こそは!自由を愛し!義賊を愛し!色々愛する者の名は、暁のボス!!!」


 くりゃんと先生をメンチする。


「私はぁ……教会の光となりて舞い落ち参上。アナタの頭上に幸福をあれ!私も幸福あれ!私は女義賊……幸福のアリ……サ。」


 とてもじゃ無いが、MAX赤面する先生は変だし身体のキレも全然無い。

 これはアレだ。練習不足だ!

 だが!終らない。俺よりも凄いメンチビームが、先生からエリザベレスに向けられた!


「あ!アリサ先生ですよね!?……相変わらず綺麗ですね。」


 全然ポーズを決めきって無いのに、誰かがアリサ先生に話をしてきた。


「オイ。エリザなんちゃら!?お前だよ!!お前の番だよ。」


「坊やさん!お久しぶりです!!」


 くそ!誰だ!?神聖なる儀式に、ズカズカと土足で入って来る奴は!?こてんぱんにしてやろう


っちんか?」


「変わらないね坊さんは。……今はボスって名前なの?」


 チッ。仕方ないか……。

 俺が動き出した事で、三位一体のポーズは無くなってしまった。というか、二人しかやって無いので三位一体とは程遠い。


「お前、あのカウンターの女と付き合ってんのか?……それはどうでも良いが、中にアルがいるハズだ。

 入れてくれるよな?」

明日もヨロシク

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