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義賊~暁の林檎  作者: ふ~ん
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ターゲット

こんばんは。結構長文になり、遅くなりました。

「ボス!ボス!すいませんココ開けて下さい。」


 静かな一室に突然、騒がしい声を発するのは


「その声はアルか?」


 声は物静かに答えているのたが、いかんせん顔や態度……特に顔とかは『今日は何だろう!ワクワク』といった感じてドアを開けに行った。

 

「ボス!ワイルドボアを仕留めて来たぜ!それと、核は剥ぎ取ってもう売って来ましたんで

 ……これは、その御代金です。」


 ワイルドボアを首の背に乗せ颯爽と現れたのは、アル。

 アルは、辺りを見渡す仕草を取ると


「コロ!ワイルドボアの解体を恃みたいんだが!?」


 奥のバーカウンターから出て来たのは


「あーい。

 そんな大声出さなくても聞こえてますよ。

 うん!中々に大きくて美味しそうですね。」


 アルがドサッと大きなテーブルに置いたのも束の間、直ぐにカウンターの料理場から出て来たのは、もう一人の仲間の内の一人のコロだった。

 コロは、体調三メートんは有ろうイノシシを、コレまたヒョイと担ぎ上げるとカウンターへと持って運んで行こうとする。


「コロ!これ、核を売ったお金だってさ。」


 俺に呼び止められたコロは一度も立ち止まる事無く言う。


「ボス。

 これは、僕達義賊の資金源だけど……その分位はボスの小遣いで良いよ!なんせこんなワイルドボアの毛皮や骨や肉はもっと高く売れると思うから。」

 

 やったぜ!と思う俺は『おう!』と粋な返事をして嬉しさを強調する。


 さて、私ことボスというのはぼうまたはという名前だったのだが、いかんせん名前が無いのは不便となり二人に考えて貰って名を『ボス』というのに変えた。

 そして二人の事の説明も大切なのだが、それよりも最も重大で私が孤児院の出だというのに、まるで大きな一軒家に住んでいるかのような雰囲気は一体!?と思ったでしょう。


「良し!アルは、三階と四階の部屋の掃除と大浴場の清掃。

 それが終わったら、図書室の空の本棚を利用して日曜大工をしていいぞ!褒美だ。

 コロはスマンが、解体した後は街に売りに行くってのを踏まえ、苗と鉢の買い出しをしていいぞ!コレも褒美だ。」


 二人とも『ヒューやるねぇ』や『今は堆肥を補充しますね』と、己にとって全てがプラスになった事に対してとても楽しそうだ。

 

 それもコレも!俺が義賊として初めて人から奪ってやったのが、この街で唯一の冒険者ギルド【月影の光】が所有していた建物をそっくりそのまま手に入れたからだ。

 経緯はと言うと……六年前に遡る。



 俺はあと一週間で孤児院を卒業しようとしていた時だった。

 彼からのプレゼントが!俺が義賊に成ると決意してから直後タイミング良く枕元に武器が並べられていたのを見て!俺の選択は間違って無かったと心の底から思った。


 プレゼントの武器は、剣では無く義賊がよく使うとされるナイフだった。

 それも七本もあって、朝日に輝いて虹色に光り輝いていた事は今でも鮮明に覚えている。


 だから


「アリサ先生!っちゃんが『義賊には義賊の名前が有るんだよ!』って言って、私が考えた名前を拒否してますぅ。

 あと、無断で外出しましたぁ。」


 卒業間近になると、すばしっこく逃げる俺に誰もが着いて来れなくなるのは当然!訓練をしているからな。

 アイツ等、追いかけるすら諦めていたな。俺を捕まえようたって、そうはいかないぜ!情けない奴等だぜ。


「放っておきなさい。ご飯に成ったら帰って来るでしょ。その時に成敗するから……。」


 そうだ!俺はこの七本のナイフで悪漢から弱気者を助けると決めて駆け出したんだ。

 俺の心は一色だった。それは、悪!悪は何処だ!?という感じで悪党を探し、街を走り回って探していたんだ。


 すると


 街の南門に生き倒れのボロッちい旅人が地に伏せていたのを見つけた時!!コレダ!!!と大きな雷が落ちたんだ。


「どうしたんだ?」


 どう見ても、ガキんちょが地に伏せている人にイタズラしている様にしか見えない。


 だが旅人は、意識すらハッキリとはしていなかったのだろう。

 霞む目を凝らし、微かにある生きたいという言葉を俺に……俺なんかの子供ごときに彼は言って来たんだ。


「た……食べ物を。み、水を……」


「フ。任せろ。

 ……ホラ、ウサギの林檎だ。」


 ホラ。超絶練習して、まな板なんて無くてもウサギの林檎が出来るし、シュバババ!って雰囲気一秒しか経過してないんだぜ。


 というのも見て、誉めてほしい!という願いもあったかも知れないが!彼は俺の想像以上の反応をして水水しいウサギの林檎を丸飲みするかのように噛る。


 彼は、八等分した一個の林檎をペロリと平らげた。


(子供??)

「あ、ああ。助かったよ……ありがとう。」


「どうだ!?食べやすい様に見えない切れ目!賽の目を入れてやったぜ!」


(そう言えば……あまり噛んで無かったな。

 いや、それはあり得ないな。だが!)

「ありがとう。助かったよ……」


 満面の笑みを包み隠さずに俺は『俺は義賊!助けるのは当たり前!!』と未だ地に座っている彼に大声でアピールするのだった。

 続いて俺は彼に、トンでも無い事を言い放つ! 


「あんた、俺に良いことをしてくれた!ありがとう。……これは、お礼の追加の只の林檎だ。

 注文が有れば何時でも!見えない賽の目のウサギ林檎にしてやるぜ!」


(何もしてない俺に礼??……だが……心に響く)

「何から何までありがとう。名を教えて欲しい」


「名前?……名前は無い!!」


 そう!それは風の様に自由に生きるのが義賊ってもんだ。

 俺は日夜、悪と戦う風に『俺は義賊!この街でたった一人の義賊!!』と言いながら林檎を渡して彼の前から姿を消したんだ。


(あー。たまらん!笑いが止まらん!良いことをするって最高じゃんフヒヒヒ。)


 俺の一日は始まったばかり!次は北門へと行くと奇跡が起きた!?

 そう!時間は経過していたが、同じ様な人が生き倒れていたんだ。


 そして


「ほーら。ウサギの賽の目林檎だよぉ。」


「え!?」


 最初の奴よりかは彼は元気に見えた。

 それは、俺の差し入れを少しばかり拒否するかのようだった。

 

「良いんだ。それで良い……ソレが普通だ。

 だがな聞いてくれ!俺はウサギの林檎を作る上で在る所にたどり着いたのだ。」


 俺の妙技とも言うべきウサギの林檎の境地を彼に話すのは、俺はアンタの敵では無い!そしてコノ林檎は安全で毒なんて入って無い!ってのをアピールすると同時に!


「見ろ!コレが真のウサギ林檎だぁぁ!!」


「あああ。」

(ウサギ林檎の顔部分に目と口部分に穴がぁぁ)


「そして食べるぅ!!

 ……どうだ?安全だろう。」


 お前が食べるのかい!というツッコミは置いといて、毒が入って無い事をアピールした俺を見た後で更に彼の為のウサギ顔を掘ろうとした時!


「空腹で倒れていた俺に、救いの手を差し伸べてくれてありがとう。

 あと、その顔無しウサギの味見がしたいな。」


 とてもじゃ無いが、空腹で倒れていたとは言え穴を作ろうとしていた俺から林檎を『渡してくれ』と急かすのだ。


「では!神技、一切の力を加えず賽の目ウサギに!目を入魂し……」


「ああ!美味しいなぁ。」


 シャクシャク!と噛み応え無い、賽の目ウサギ林檎を彼は驚きながら素早く食べきったのを見て『任務完了!』と俺の心は完了した。


「俺の名前!?俺に名前は無い!!しいて言うなら、俺は自由の義賊だからな。

 フフフ……アバヨ。」


 実に格好が良いんだと心を爆笑しながらその場を去った俺は、『今日は何かある!』と感じた。

 だから!俺が助けたあの旅人を監視することにした。


 旅人は『さて』と立ち上がり、ウサギ林檎を噛りながら歩き出す。


(……誰に付けられる?チッ!追手か?!イヤ違う殺気は感じられない。

 プロの偵察か?クソ!何処かに……そうだ!)


「む?ギルドに入るのか。あそこは子供は入れ無いからなぁ。」


 普通冒険者が集うギルドというのは、子供が入れ無いのは当たり前だが、何よりも最も安全な場所と言えよう。

 何故ならば、ギルド内で起きた事件ならば何かしら冒険者逹に犯行を見られているだろうし簡単には執行しようとは思わないだろう。


 そう思うのは、旅人の彼もそうだろうと思っていた。

 だが、現実はもっと非道だった。


……

「臭い臭い!ココは俺達の食べる食堂だ!

 お前逹の汚い者が来る所じゃ無いんだよ!」


 ギラリと手甲を輝かせ、振りかぶった先は一人の旅人の土手っ腹!


「おーおー、酸っぱいのは林檎か?お前も食らっておけ!……オラッ!

 って、お前も林檎か……チッ」


(クソ!あばら骨が何本か……)


 この大男のせいで、食欲を失せた客逹からは鋭い目が注ぎ込まれる。

 同時にソノ殺気に気付いた大男は、メンツを取り戻す為にアル一興を思い付くのだった。


「俺は、月影の副ギルドマスター・武道家のセイシ!私の住む屋敷を汚すとは許せん!

 これからお前逹を、この剛腕で握り潰してくれるわ!」


 ギッギュュと無抵抗の旅人の首を締め持ち上げて……キン!と音がした瞬間!?


「ガァァハァァ!……だっ誰だぁぁ!?」


 大男の両手に突き刺さるのは一本のナイフだ。


「待ちな。そいつ等は、俺の……ダチだ!!」


「お前!?頭のおかしい義賊……ぼう


 誰もが、落ちぶれた冒険者として見て助けなかった彼等を助けたのは街で有名なぼうだった。

 突然の乱入にギルドにいた連中の中には『あのガキはバカか?』とか『あー……死んだな』と俺がオッ死ぬ運命と言わんばかりの発言が多々聞こえてくるのだが、アル一人のみがパニックへと陥っていた。


(ばっ!バカナ。俺の金剛甲を!

 ……俺の甲は、金剛散りばめているんだ。これはドラゴンをも怯ませる事が出来るんだぞ!?

 それを!!このナイフは……いとも簡単に貫通するだとぉ!?

 間違い無い!……伝説級の武器が俺の目の前に!?)

明日もよろしく

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