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義賊~暁の林檎  作者: ふ~ん
15/59

大聖霊紹介

こんばんは

 ああ、俺もどっか行きたかったのに!というのは隠しておきたいが『席に座って』と言うんだもんな。

 さほど問題にしてなかったのに、先生が来てからと言うもの『女性の格好をした』大聖霊は先に言った方が良いかもしれないと思って来た。


「先生。」


「何?何をそんな真面目な顔して……まさか!?一線を越えてしまったの?」


「何の一線ですか?なんか知らんが、先生は女に興味があると見ました。

 なので、紹介します。

 こいつは、屋上と闘技場で育てている畑でよく使用する緑の女の子です。

 因みに、匂うと微かに花の匂いがします。」


 先生は突如出て来た女性を見るなり『そういう属性は持って無いわぁ』と力無く机に伏した。


「私もそんな属性は持って無い。どちらかというと、碧の方だと思うし。」


 属性?なんのこと??

 俺の直ぐ隣には、緑色の髪をした知的に溢れ丸いメガネを掛けた女性が立っていた。

 女性は全ての物事に対して落ち着いて行動するかのような物腰だ。


「先生の属性が意味分からんけど、こいつはウチの畑を担当している奴だ。

 名前は知らんが、食事の野菜系は全てコイツの恩恵を貰っている感じかな。

 ……だよな!?コロ。」


 もう来ても良いだろと思っていた矢先、俺の部屋の前で様子を伺っていたコロに気付いた俺は、強引に引きずり込んだ。


「あ。ボス、用事は終わったんで?」


 用事なんてありゃしない。ドアの向こう側にいたろ!早く入ってこいよ。


「用事は元から無い。先生がコイツらの事を気にしてさ、だから紹介してるけどコロは気になる子はいる?」


「ハハハ。いませんよ。

 ですけど、全員の容姿を知っておく方が何かと便利なのは確かかも知れませんね。」


 それもそうだな。うん。普通そう思うわな。


「一匹出すことは出来ないけど、後はこんな奴等だよ。

 ……あれ?オイ!出て来いよぉ。あ、出た。」


「一匹ってのが気になりますけど、そのフード骨爺は今出して良いんですかい?」


 コロは、チラッチラッと鎧を着た女に目を配る様子を見て先生は気付いたようだ。

 

「大丈夫よ。エリザベレルは今からここに住む事に決定し、尚且つ我等義賊の仲間入りになったから……全部ぜぇんぶ大丈夫なの。

 因みに、あんたは騎士団辞めるなよ。」


「ええ?じゃあ、情報を垂れ流すの!?」


 更に先生が、フード骨爺の紹介をした時には『何故!何故私は馬もろとも部屋に突入したぁ。あの頃に戻り……ダメか。』と一演技が入っていた。


「エリザなんちゃら!?お前の名前は今からエリザと呼ぶからな。

 俺の名はボス!そして、こっちが先生アリサでこれが料理担当のコロ。

 みんな名前は本名じゃ無いから。

 ヨロシクな!エリザなんちゃらぁ!」


 アルのことは紹介してない。


「ハイハイ。エリザベレルはエリザで決定。

 あと、出て来なかったと言っていた大聖霊だけど出て来たじゃ無いの。」


 クルリと見渡せば、緑の髪の女性・碧のひんやり女性・水で清楚な女性・フード骨爺・山羊の頭蓋骨ずがいこつ被ったガチムチ・バチバチ鳴っている馬がいた。

 そう!もっと注目すべきする奴がいるんじゃないか!?と思うのだが。


「あの馬はね。本当は上に人が乗っているんだ騎士風に。

 ただ、本当はもうちょっと大きいハズなんだけど、俺が『大きい奴は出入り禁止!』って部屋約束してな。

 だけど、余りにも出て来ないもんで『自主的に小さく成れるのなら良いよ』と言ってから皆出て来てくれているんだ。」


「へー。騎士なんだぁ。」 


 やっぱり。山羊の頭蓋骨被ったガチムチは、眼中に入って無い感じがする。話すら無い。


(山羊のおいちゃんの話に移るかなぁ。一応、結構役に立ってんだけどなぁ。)


 山羊のおいちゃんは、近くに寄ると『ブフー、ブフー』と鼻詰まりしている鼻息で、骸骨の目の奥には小さな炎がメラメラと真紅に燃えているような。

 何より、どこで拾ってきたの?と思わせる程に、右手に動物の巨大な骨をガッシリ持っている。それでいて、ムキムキで色黒なのだから


「なぁ。コイツの紹介を……」


「いいわ!機嫌を損ねるのもアレだし!!」

(っていうか!全大聖霊に『コイツ』とか言うの止めて!……なんか怖い!)


「え?良いの??コイツ結構役に立つよ?」


(って!役に立たない大聖霊がいるか!)


 後の一匹が気になる所だけど、とりあえずはもう終いという事になった。

 多分、俺から見て相当ガチムチが嫌だった様子だった。


「分かっていると思うけど、これは普通の姿じゃ無いから!見てくれは変かもしれないけど、結構皆丸く成ったと思うんだけどなぁ。

 コイツなんか、出た当初はデカイ白熊の鼻先に立ってたし。」


 また、コイツ呼ばわりして肩に手を置いたのは碧のひんやり女性。


「……分かりました。

 では、エリザもう帰ってなさい。仕事が終わればココに帰ってくるのですよ。

 ぼうの朝食の邪魔してごめんね。

 私達だけで、ちょっと下で会議をしているから……覗かないでね。」


 『じゃあね』という先生は可愛く言っているものの、コロの首根っこを持った手は頑丈で強固に思えた。

 コロが『ボス。アルは井戸に』から先を全て言う前に消えて行った。


「ごめんなさいね。このドアはエリザの部屋から取って来たから……ハメテおくね。」


 ガチャリとドアはハメられて、先生達のコツコツと降りて行く音を聞きながら、遅目の朝食を食べ出した。

 会議なんて興味無い!どうせガチムチの話か何かだろう。

明日もヨロシク

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