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義賊~暁の林檎  作者: ふ~ん
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大聖霊その3

こんにちは

 ぞろぞろと帰って行く騎士団のせいで覚醒してしまう俺なのだが、今は心の病ってのもあってコロが朝食を持って来る手筈となっている。

 正面玄関の蹴破る音は意外にも三階まで達するとあまり聞こえないが、流石に俺の部屋のドアを開いているのに蹴破る音くらいはアルが駆けつけてくれた。


「ボス!何ですかソノ女性は?」


「え?言ったろ。一緒に寝ると、ひんやりしているナイフだ。」


 俺の後ろに寝転んでいた為か、全体図を布団で隠れていたのもあってか、起きてしまった俺に続いて彼女がスクッとゆっくり立ち上がった。


「ボボボ坊!なんですか?人間とは違いますが、この年齢で裸体を表すとは不埒ですよ!

 彼女に服を!」


 俺の後ろに立っているのは只のナイフから出た聖霊だと言うのに、アリサ先生と騎士の人は何気に驚いているし、アルに至っては『ボス!大聖霊なんて初めて見ます!触りたいです!』とか言って喜びを表現してくれている。


「服?服ねぇ……服、着て。」


 服を着てと言っているが、このひんやりとしたヤツは一応服は着ている。

 まあ、見た目肌着といった所。

 だから別に驚くこともない。だって、出て来る姿はいつもこうだ。


「あ、体の回りに!?服が……服があったのか」


 俺の無茶な要望を聞き入れてくれたようだ。


「服を着たし、もう一度寝るわ。」


「って!ちょっと待ちなさい。ぼう、ここ!ここに座って。」


 俺はテーブルなんて使わない。しかし、部屋には各一つテーブルと椅子が存在する。

 先生と変な鎧を着た女は、空いている部屋から椅子のみ取って来て着席して待っているようだ。


 というか俺、目も合わせれない程に先生の事を怖いと感じていたのに。

 先生もそんな感じだったのに、今では面と向かって俺の顔を覗き込んでいる。

 ……そんな俺でも、アリサ先生の声・いつも通りの声を聞いてからは、なんとなーく悪い気もせんことも無かった。


 だから、先生の言うことは難なく聞き入れ座る


「なんスか?」


「初めまして。私はグレイン聖騎士団隊長のエリザベレルと申します。

 現在、私は……なんと申して良いか分かりませんが、その……大変申し訳ありませんでした!

 破壊した器物は全て保証します!あなたの情報と碧の大聖霊の事も内密にします。ですから……」


 それはそれは、綺麗な直角の腰をして丁寧に謝ってくれていた。

 俺としては、大工が好きなアルがいるので全て元通りになるのだから特には問題視してないのだが……


「ダメです。どうせ言うのに決まってます。」


 現実を多数見ている先生はひと味違う。

 『では!どうしろと?!』とエリザなんちゃらが這ってでも謝る姿はなんとも気持ち悪い。


「そうですねぇ……エリザはここに住んで貰いましょう。

 そして、我等義賊に加担するのです!!大丈夫です。義賊なんて名前だけですから。」


(オイ!聞こえてるよ!!まずは落ち着こう……はぁ、気持ちいい。)


「こんな立派な女が目の前にいるのに!坊はそんな大聖霊が好きですか!?」


 普通に出現している彼女の手を取って、俺の頬や額をスリスリとしただけなのに、何をそんなにキレる事があるんだろうか。


「好き!?……まあ、好きかな。

 だって、ひんやりしていて気持ちいいもん。」


 試しに『ホレ、触ってみ』と彼女の手を引っ張って先生の元へ差し出したんだけど。

 先生曰く『聖霊は契約者しか触れません』と強く言って触ってくれない。


「あー。なるほど。こいつが、ひんやりし過ぎてて嫌なのか。

 だったら!こいつはどうだ!?」


 出したのは水色の羽織を着た、いかにも清楚な女性が出て来た。


「き、綺麗……」


「ソコはどうでも良いだろ!ホラ、こいつ実体が無いんだぜ!……あ?」


 これは昨日、先生が大聖霊と言っていたヤツの一人である。名前なんてもんは無い。

 先生に、こいつは“水で構成されていて触れない”というアピールをしたかったのだが、何故か今回は実体があった。


「むに。ムニムニムニムニムニ……

 なんか知らんが実体があるぞ!?いつも水なのに!?じゃぶじゃぶなのに!」


「分かった!わかったから、私達の目の前で胸を揉むな!」


「いや、でも嫌がってないし。」


 それでもヤメロと煩く言うんだもん。

 『嫌だから、止めるね』と手を離そうとした時!?彼女は俺の手を引き止めたんだ。


 そして、アイツが突入!


「ちょいと待ってたもう!揉まれ揉むことに長けた我はちょいと名が知れ渡っています。

 だからとは言わねぇが!ボスが困ってんだ!だったら部下のアルにお任せくだせぇ!!

 かっ。かかか代わりに揉んでしんぜよう!」


 ババンとアルが登場すると同時に彼女は手を差し伸べる姿が。

 両者合意されたと誰もが思ったに違いない!

 だが、先生と騎士の二人は遠い所を見て『バカだな。』とボソッと言うと


 アルの足元に水溜が出現した!?


「ドプ!……あ!あー!!ボスゥー……トプン。」


 アルは、水洗便器の大の様に流れて回され沈んで行った。

 これは!?何処へ行き何処へたどり着くのだろうか?ガタッと席を立つ。


「アル!?俺もそっちへ行くぞ!」


 だがしかし、既に水溜りは無くなっていた。

今日もヨロシク

今、気付いたのですが、聖霊と精霊が存在するのですね。聖霊で行きます!

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