表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
義賊~暁の林檎  作者: ふ~ん
13/59

大聖霊その2

こんばんは

 ふぁー……眠い。

 昨夜からエリザベレル隊長は、入念な計画を遂行するために一睡もせず朝を迎えた。


 実のところ、俺達も会議やらなんやらに加えさせられて寝てないのも事実なのだが。

 まあ……それもこれも、この仕事が終われば解放されるというものだ。


 朝霧が立ち込める頃、颯爽と我ら四十もの騎士団と鑑定士様と占い師様を配置をさせる。

 調べも十分だ!一階は調理場の勝手口が一つと正面玄関口が一つ。

 二つの出入口に鑑定士様と占い師様が連動し【極部・サーチ解放】をする。


 【極部・サーチ解放】とは、どのような聖霊が発動されているかを占い、鑑定する合体技だそうだ。更に、極めて小さい範囲でサーチする鑑定・何処で発生しているか占いするようだ。


「さあ。やって下さい。」


 エリザベレル隊長から合図が来たな。

 さあ!いよいよ本番というヤツか。

 とりあえずは、聖霊の反応が出た時に我らは強行突入開始だ!見てろよ【紫の混乱を招く者】を使役する者よ!


 もう発動したのか?私は鑑定士では無いし、占い師でも無いから良く分からんが……相手の出方を見守るしかないな。


「たいへんです」


「?どうした?」


「発動した瞬間、聖霊の反応が有りました。」


 ついに来たか!って顔をする隊長は給金を貰うより良い顔をしている。


「それで?どこだ!?」


「反応は三階ですが、その反応は【紫の大聖霊】とは全くの別物。

 感じます【あおの大聖霊・冷血姫】がいます。」


「何!?紫だから黄の護符を所持して来たのに、あおだと!?」


「どうしますか隊長。」


 いや、どうしますか?じゃねぇだろ。

 もう良いじゃん!そういう聖霊がいました。

 それでよくね?そこで終わりにしとこうよ。

 そして、皆で会議してさ無駄に時間過ごして寝ようよ。


「かまわん!突入だ。」


(そだと思ったよ。)


 その時!張っている建物から女性の叫び声が聞こえて来たんだ!!

 すぐさま隊長が突進!だが、元とはいえギルドの壁は分厚く我々の行く手を遮っているかのようだ。


「こうも秘密を隠したいか!開けよ!!悪党ども!!

 今助けに行く!未だ騎士レベルがカンストしていないが、スキル強行突破を使用する。」


 我々騎士団には、レベル三百までスキルが付与される。

 これは、カンストするまでに幾つかスキルを得れる事が出来るのだ。

 エリザベレル隊長のレベルは二百八十でカンストはしてないが、それでも相当の騎士レベルだろう。


 その名の通りの強行突入したエリザベレル隊長と馬が、正面玄関を蹴破り激しい音を掻き回す。

 階段を上ると、シスター姿の女性は尻餅をして……あれはアリサ様では?


「乙女よ!……ってアリサ先輩、どうしたんです?」


 この変わり様、今までのエリザベレル隊長が全て演技だった様にも見えて来た。

 あの、起こされたアリサ先輩はカタカタと震え片言に『ぼうが女の人と』と話して我等は気付いた。


(あ!なるほど、浮気発覚か。)


「アリサ先輩をフッたんですか?中々の良質男イケメンでしたか?

 別に良いでしょ……アリサ先輩はまだ二十六、まだまだイケますよ。」


「うう。ぼうが女の人と寝てる。」


(やっぱり、浮気だな。どうする?入る??)

 

 エリザベレル隊長は、気が抜けた顔をしてスクッと立ち上がる。


「先輩は好きでは無いが、一般市民を守るのも騎士団の役目!……押し通る!!」


(入るよねー。)


 バガン!とドアを蹴破って入った。

 そこに横たわるのは髪が碧の女性が、大人には見えない一人の男子を後ろから抱くという光景だった。


「そこの不埒なヤツよ!神妙にしろ!」


 エリザベレル隊長にまた、スイッチが入ったようだ。


「うーん。ああ……誰?」


 こやつ!俺達が眠たいというのに、爆睡から!そして美女から起き上がってからのコレとか!マジでイラつくし。


「私は、グレイン聖騎士団隊長エリザベレル!

 今!大聖霊・碧の冷血女の反応があった!今すぐお縄に着け!」


「え!?大聖霊って犯罪なの?……でも、アリサ先生はそんなこと言って無かったし。

 ねぇ?先生、大聖霊って持っているだけで犯罪なの?」


 アリサに一筋の質問が投じられた。その言葉は、柔らかくもあり……『……先生。先生ー!ステータスってどうやって見れるのですか?』思い出す。

 ……そうだ!私は、あのの母親代わりなのだ!


 ドア前に尻餅を着いていた彼女は、立ち上がり凛とした表情を保ち始める。

 それは、いつものアリサ先輩で何も寄せ付けず、何者にも屈しない最年少天才女聖騎士の顔に戻っていった。


「大聖霊を持っているだけで、このような不始末を受ける必要はないわ。

 それに、これは不法侵入と安眠妨害・器物破損と摂食障害……数えれば多数の事を聖騎士団がやらかしたのよ!……悪いのはぼう君じゃないわ。

 悪いのは、この人達よ。

 良く覚えてましたね。エライです。


 さ、早く出て言って下さい。エリザベレルは私と取引をしましょうか……」


 今回は特に大聖霊の反応があっただけで、街の人達に迷惑をかけて無いという所が大きな障害となっていたのだろう。

 悪いけど、焦ったエリザベレル隊長にはここを任せて俺達は帰るんだ。そして、寝る!!

 あとは、頼みました隊長。

明日もヨロシク

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ