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義賊~暁の林檎  作者: ふ~ん
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ダンジョンのあと

こんばんは

 振り返るとボスは、ニコニコと立っていた。


「ボス、その顔は何か良いことを考えついたんたんで?」


 『その通りだ!』と親指立てて笑うと、ブツブツと独り言を唱えだして一本のナイフを取り出した。


「先生に見習って、俺も聖霊を出してみる。ホレ、出てきてあのゴブリンを毒抜きしておくれ」


「「「!!」」」


「お?……ああ!お前、昔勝手にベッドの横に立ってたじぃさん!」


 目の前に出たのは、とてもじゃ無いが“爺”という表現では言い表せない。

 ソコに立っているのは、紫よりの暗いフードを全身に被っている。中でも目立つのは、フードの下から見える骸骨。


「あのじぃさんが聖霊だったんだな!?

 ということは、アイツらが聖霊だったのかぁ。とにもかくにも、コレからはヨロシクな!」


 そう言ったボスは、骨の手を握りしめて『やったな、オイ!』という感じで別の手で肩を組んで喜びを分かち合っていた。

 その後、わりと適当に『ほな、ヨロシク』とか言ったボスからスススッと歩いて『フハハハ』と何故かフードは笑い移動して行った。


「ボボボボス?大丈夫ですか?」


「大丈夫だろ?だってコロが、闇の聖霊は強さにもよるが、毒の付与と解除が出来ると聞いてるし大聖霊だったら余裕だろ。」


 骨爺さんは、転がっているゴブリンの元まで行くと、突然!フォンと音がした。


(え?……ええー!?)


「おお!そんなデカイ鎌から草むしりが楽になるぞ!コロ!!アレを借りよう。」


 突然のフリに戸惑いを見せる。

 コロは、普段からあまり喋らない性格なのだ。


「雑草は根から取り除かないといけないから

 ……ああ!あ。」


 なんというか、恐れおおくも大聖霊から身の気をよだつ程の大鎌に驚いていたが、フォンという音がすると大鎌はゴブリンの脳天に刺していた。

 そこまでならさほど驚かないのだが、そこからが驚く場面だった。


「お、スゲー!一瞬で骨を抜いたよ!?三枚に卸して無いのに。」 


 大鎌はテコの原理を使い、クイッと優しく引き上げるとゴブリンの全体の骨が抜き出た。

 その後、フォンという音が鳴り響くと役目を終えたのか砂の様に消えて行った。


「見てくれ!豪華絢爛に肉盛りになってんぞ!

 先生!凄いから来てぇ」


 ここはダンジョンだ。なのに、ピクニックに来ているかのようだ。

 呼ばれて近付いて来てみれば、むしゃむしゃと食べる姿を見て諦めたようだ。


「もう帰ろう。そのお肉、持って帰るから。」


「ああ、そうだった。魔物の肉は、教会への差し入れだったな忘れてた。

 すまんな、全然一階も下りず帰るなんて想いもよらなかったよ。」


 『じゃ、帰ろう』とスタスタと歩くボスは、闇の大聖霊が宿ったナイフをクルクルと回して遊んだ後はいつものように、腰に付けている四十本が入るナイフ専用カバンへと投げ入れた。


 あっという間に、ダンジョンから帰って来た俺達は、差し入れを済ませた先生にこの屋敷を案内をしていく。


「先生!聞いてる?一階はロビーで、大体は皆が食事をする場所で受付のカウンターは俺専用の場所だから!座るなよ。カウンターの奥は、食料室兼料理場でコロ担当たから。

 二階は部屋が六つあって誰も住んでない。その中の一つに、書庫だった本棚専用の部屋があるけど一切本がないから。

 三階にも六部屋ある。ここの一室に俺だけが住んでる。残りは空いている。」


「全然住んでないね。」


「住んで無くとも綺麗なのだ!なんと、コロが掃除するからな!

 あと、四階に四つの部屋があってソコにアルが住んでいる。」


 アリサ先生は即答で良い放つ!


「じゃ、三階で良いわ。」


「何でだよ!?いっぱい他にあんだろ!」


「ダメなの?最もらしい理由を教えて。」


 特に纏まった答えを言い出せず、先生は三階で俺の隣の部屋へとなった。

 その後、隣接する設備に銭湯があって男女に別れている事を説明するや


「え!?あの高級で贅沢な湯船に浸かれるの?」


「別に、もう馴れたよ。特に贅沢では無いよ。」

明日もヨロシク

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