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異能力第五部隊

ーー此処は暗い。誰の声も聞こえず、自分が自分であるかも忘れてしまった。だれかーーー









向かった食堂は想像通り騒がしかった。自分を見るといちいち絡んで来る人物もいるので、早めに目立たない席に移動しようとしたが、


「あ〜〜幸多くんじゃん!!めっずらし〜こんな時間に食堂いるなんて!!!」


声のうるさいバカによってそれは阻止された。


「アッハハハッ、マサに邪魔されてやんのー」

「えっ俺なんか邪魔しちゃった?」

「そう思うなら静かにしてください頼むから」


しまった。バカの無駄にでかいバカ声のせいで視線を集めてしまっている。こういう事があるから早めの時間に朝食を摂っているのに、遅く起きたらこの有様だ。朝から頭が痛くなってきた。主にクソ上司二人のせいで。

これで俺より10近く年上だというのだからまったくもって驚きである。もっとも自分はこの中でもっとも若年であるので大体の人が年上なのだけど。


「お先に失礼します」


他の面倒な人達が来る前にそう言い捨てて食堂を後にする。この人たちに付き合っていたら収拾がつかなくなりそうだ。






ーー異能力第五部隊司令室ーー

そう書かれたプレートのあるドアの前で、少しの間息を整える。

今から相対する上司は気難しくもない優しい人物だ。頭はすこぶる優れており、戦闘能力も高いこの組織でも指折りなため、数少ない、自分が嫌っていないと思える上司だった。

先程呼び出され、特に何も言われないままな訳で何か重要な事だろうと勘ぐってしまっているのである。


「さっきから何やってんの、幸多くんボケちゃった?」

「...余計な一言入れるクセなんとかなんないんですか。言われなくても今から入るところです。」


いきなり後ろから話しかけられ、多少なりとも驚く。まさか慎也さんも呼ばれていたとは...本当に重要な事なのかもしれない。そうこうしている間に慎也さんがノックもそこそこに入っていってしまう。

いちいち噛みついていてもしょうがないので自分も大人しく部屋に入る。


「ああ、待ってましたよ。慎也さん、幸多くん。二人で最後なので席に着いてください。」


見た目にあった爽やかな声でそう告げる彼は間違いなくこの部屋の主である“異能力第五部隊司令官”だ。


この組織は数ある異能組織の中ではかなり大きい方で、国からも認知されているらしい。大きな組織のために、部隊として複数に分かれており、全部で5部隊存在する。所属人数の多い順に部隊認定をされているので実質、この部隊が一番人数が少ないのである。


それはそうとして、異能を持つものは一癖も二癖もあるような厄介者ばかりだ。そんな奴らをまとめる司令官は並大抵の人物ではできないだろう。自分がこの清水司令官を尊敬できる理由の一つでもある。


「それでは話したいと思うけれど、とある組織を潰すことになりました。その任務がこの第五に与えられました。」

「組織を一つ潰すって...随分と大きなモンだね。響さん。で、誰が行くの?全員で行くわけでもないんでしょ?」

「その通りです、慎也さん。遂行する方を今から選びたいと思うので、内容を聞いて各自ご判断お願いします。」


「対象は表向きはただの医療機関ですが、海外から非合法に人を買い入れ、時には誘拐までし、異能植え付けの人体実験を行っているようです。」


異能が実験で簡単に手に入るわけがない...異能者ならば当たり前のように思える事が非異能者にはわからないのだろうか......ーーーー




ーーーーお願い、幸多。ここで静かにしていて。絶対に、声を出しちゃダメだよ。大丈夫、お姉ちゃんが守ってあげるから。あの人達追っ払ってくるから.........ーーーーー



ーーーーおねえちゃんっ!!ねえちゃん!!!おとうさん...おかあさ..ビシャッ...ヒッうわあああああああっっっっあああっっああぁぁぁ......ーーーーー





名前を呼ばれているのにも気付かず考え耽ってしまっていた。慎也さんが何か言いたげな視線をこちらに向けている。チッこういう時は鋭いんだから。


「最近彼らは、ゴッドズ・ブレインと呼ばれるコンピューターを使用し、無作為に社会を掻き回し、人をさらい漁っています。今回の目的は組織を潰す前にコンピューターの破壊です。」

「それなら聞いたことあるかも、確か奴らはそのコンピューターを使ってプロテクトまで作って、誰も手出しできないんじゃなかったっけ。」


主に情報を集めて回っている蓮池さんが呟く。清水司令官が頷くということは間違っていないのだろう。


「場所はすでに把握していますので、みなさんわかっていると思いますが対処方法は一つだけです。」


ーーーーーー強行突破ーーーーーー



そうして、戦闘能力が高い異能の5名プラス司令官で行くことになったのだ。自分はー重力操作ー対人には滅法強い上、凡庸性も高いので任務に参加することとなった。

人員にため息をついている俺はこれから起こる出来事を予想できないでいたーーーーーーーー










登場人物

最上幸多(もがみこうた) 主人公、驚きの14歳。将来有望株な美少年。3年前に引き離された姉を探している。姉がさらわれた時、途方に暮れていたところに慎也に拾われ、現在の異能組織に属している。基本的に他人は信用していないが、同じ部隊の皆には心を許している。なお清水以外の人間には基本雑な態度をとる。(not尊敬


城ヶ崎慎也(じょうがさきしんや) 23歳。幸多の上司で3年前に幸多を拾った。金髪の自他共に認めるイケメンで、女性関係のトラブルが絶えない。ファンクラブ(過激派)もある。そのせいで思春期の幸多からの尊敬を得られないでいる。能ある鷹は爪を隠す典型的なタイプで普段は飄々としている。清水と小暮とは同期らしい。



小暮正樹(こぐれまさき) 23歳。愛称はマサ。非常にうるさい。成人済みとは思えないテンションの高さ&バカさ加減で周囲から常に一歩引かれている。幸多からはテンション馬鹿のガサツ人間と言われており、もはや災害、騒音猛獣などと散々に呼ばれており、能力も強力。暴走すると慎也か清水にしか止められない。身体能力も非常に高い。ちなみに清水の相棒



清水響(しみずきょう) 23歳。爽やかなイケメン、柔らかな物腰で女性ファンは少なくない。仕事以外はポンコツ人間で慎也にはよく注意されている。怒らせてはいけない人間No. 1。仕事はできる。仕事は。愛称は慎也命名でソーナンス(だってほら全体的に水色なんだもの。by慎也)前述の通り全体的に水色、又は青。能力も水。





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