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正直すまんと思ってる

RPGとかで透明な壁ってあるだろ? あれ俺なんだわ

作者:だるぉ

 RPGで透明な壁ってあるだろ? 
 ステージは広がってるのになぜかそれ以上進めないやつ。
 そうそう、ガツンってなるやつだよ。あれな、実は俺なんだわ。

 ◇

 この職に就いてどれだけ経っただろう。
 俺に時間の概念が適用されるかは謎だが、おそらく数十年は経ってるはず。
 それは「君ひま? ちょっとおいしい仕事があるんだけど」って声をかけられたのが始まりだった。

 だってよ、突っ立てるだけで良いって言われたんだぜ?
 しかも無敵の力まであげちゃう! って言うの。こりゃ断る理由なんてないだろ。
 でもね、今になって分かるんだ。

 ——俺完全に騙された

 いやね? 確かに立ってるだけで良いのは本当。
 なんなら実際に無敵の力までくれた。おかげで俺に対して怒ったプレイヤーがどれだけ攻撃しようが痛くも痒くもねえ。全部すり抜けちゃう。でもプレイヤーはすり抜けられねえの。傑作だろ?

 それで最初の頃は楽しかったのよ。やーいざまぁ! みたいな感じで。
 でもよ、俺に対して怒りをぶつけるプレイヤーの顔を見てると段々思うところがあるんだ。

 ——俺って必要なのかな

 だっていつも意味もなく俺の存在に八つ当たりしてさ、大層な剣を振り下ろしたり、特大な魔法を打ち込んでくる輩がいるんだぜ?
 こうも恨まれてばっかじゃ気が滅入るよ。

 この前なんて凄かったぜ?
 某狩猟ゲームで働いてた時なんてよ、プレイヤーが満身創痍で倒したモンスターが何かの弾みで俺の方に飛んできたの。それでもちろん俺をすり抜けるわけ。

 するとどうなると思う?
 プレイヤーはモンスターの死体に用があるのに、俺が間にいるせいで干渉できないの。せっかく頑張って倒したのに全部パァ! 
 いやぁあの時は流石に可哀想だと思ったね。
 プレイヤーもその様子を見て茫然自失。俺に怒る気力も失って、ただ突っ立てるの。本当に申し訳ないと思ったね。

 それでさ、俺相談したのよ。この仕事を紹介してくれた方にね。
 なんとかして仕様を変えてくれませんか? って。
 そしたら意外や意外、了承してくれたのよ! 

 それでどうなったかって? 
 なんか俺もよく分からん仕組みになった。

 簡単に言うとさ、ひたすらステージの北を目指すとするだろ? それで限界まで行ったら急に南から出てくるの。逆の場合も同じな。もちろん右にひたすら進めばなぜか左にワープしちまうんだよ。

 やばくね? とうとう俺の体は空間の壁をも超越しちまった。
 でもな、結局プレイヤーを満足させるには至らなかったんだ。
 こんなスーパー機能をつけたのにプレイヤーは怒るの。

 それでついに俺はある日聞いたんだ。
 なんでそんなに怒るの? って。
 そしたらさこう言ったんだよ。
 僕らプレイヤーは画面に広がるもっと奥の世界に行きたいんだ! って。

 なるほどねと思った。
 俺もその気持ちすっごい分かるもん。誰だって広がってりゃ行きたくなるわな。

 そんでまた仕事を紹介してくれた人に頼んだの。
 プレイヤーはこういった機能を望んでます。俺をそれに変えてくれって。
 でもな、ダメって言うんだよ。
 それで俺はなんでダメなんですか? って聞いたの。

 そしたら何て返してきたと思う?

 開発費の壁があるからダメだってさ。

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