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戦艦

 スペースコロニー襲撃事件は、敵味方問わず大きな話題になっていた。しかし、クーデター軍は、粛々と次の準備をしていた。

 最新鋭の戦艦レッドベアが満を持して、アルテミスとの最前線に送り込まれようとしていた。乗組員も全員、同志で編成された。搭載できるミサイルの量は、ブリタニアの艦で最大である。航行ルートまで、わざわざ公開通信でやり取りされていた。

 レッドベアの艦長は、ホーネッカーより大抜擢されたハイデック少佐だった。大柄で筋肉質な体、美男子というわけではないが、精悍な顔つきをしていた。年齢は、もうすぐ30歳になろうとしていた。

 最前線にたどり着く前に一戦交えることになるかもしれないと、ハイデックは考えていた。


 レッドベアの火力に関しては、以前から噂になっていた。最前線に実戦配備されれば、戦局は大きく変わるといわれていた。その噂は、ピースメーカー側でも十分承知していた。

「このまま、最前線に行かせるわけには、いかないだろうな。」

カザミ艦長は、副官や士官候補生に聞こえるように声を出した。

「これは、罠ですよ。艦長。」

士官候補生のサザビーは、進言した。

「わかっているが、最前線で活躍されるのは、もっと困る話だ。」

「何か、秘策でもあるのですか。」

副官は、尋ねた。

「秘策というものではないが、嫌がらせぐらいしてやるさ。」


 レッドベアは、わざとゆっくりと戦場へと移動を開始した。通常、航行する艦の半分ぐらいのスピードである。周囲を警戒していることは、十分に感じられた。

 レッドベアのブリッジでは、ハイデック艦長が腕組みをしながら、ピースメーカーの登場を待っていた。すでに、ピースメーカーの艦の能力については、製作した技術者を捕まえて、その能力を丸裸にしていた。ピースメーカーは試作品的な色合いが強いが、このレッドベアは、完成された作品であり、その能力は、折り紙つきである。

 もうすぐ、新しい戦いの火蓋が切られようとしていた。

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