捕縛(1)
いや、両生類とかいい直してる時じゃないだろ!!状況わかってんのかこいつ!
この白いイカ野郎にツッコミをするよりも早く、俺たちは槍を持った男達に囲まれてしまった。
「どこのものだ!」
「名を名乗れ!!」
「お前が犯人だったんだな!」
すごい剣幕で俺たちを睨みつける。
「いやあ〜 ちょっと待ってくださいよ。俺は何もしてないし、ただの旅人っすよ。ただ、カウントタウンに行きたいだけで....」
「カウントタウン!??」
「やはり街の者か!!」
「そうか!なら やはり連れて行くしかない!!」
「いつ告げ口するやも知れぬ!!」
そうするとみるみる男たちは近づいてくる。
「いやいやちょっと待ってください!俺はだから...」
「おいタンゾウ! ネムリ草を使え! 何をするかわからんぞ こやつ」
「ああ!」
そう言うと タンゾウと呼ばれる男は腰の小袋から小さな花を取り出してきた。
「ちょ!何するんすか!ちょっと...!!!!」
金色の粉が舞ったかと思い気や、すぐに全身に力がはいらなくなっていく。
「これって.....何の....」
そして、目の前がどんどん霞んでいくのを感じながら目を閉じた。
どれくらい時間が経っただろう。
何かチクチクするものの上で目を覚ますと 目の前は薄暗く、よく見えない。
「なんだここは...?」
ふとすると、さっきまでのことが鮮明に思い出された。
「そうか....俺は変な粉で....」
ってかここ!!
よく見ると、柵のような区切られている中に俺は居た。つまり、檻の中....
「安中のやつ..... 本当に助けに来てくれんのか....?」
焦ってもしょうがない俺は背中についたチクチクの正体を探った。
「干し草か....」
床屋の後のように俺がチクチクをひとつひとつ取り除いている時だった....
「お目覚め....みたいですね」
女の子の声だ。