表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界は少しこの世界に似てる  作者: 世良雄介
カウントタウン編
6/9

安中の戦略的撤退

青い小鳥は歌いながら俺たちを先導し始めた。


「あースバルー、私のために泣かないでー♪」


ひどい歌詞だが、良い歌声だ…..


「あの…..小鳥さん? さっき言ってた報酬のことなんだけど….」


小鳥はちらっとこちらを見る。


「報酬はね…. 後で頂くよ。あなたたちとはまた会う気がするから、その時に僕のお願いを聞いてもらうよ!」


そう言うと小鳥は尚も先導する。


「また会うって…..そんなにこの世界は狭いのか?」


すると、今度は小鳥はこちらに飛んできた!


「ハハ! 世界は狭い!確かにそう言えるかもしれない!でもね、世界が狭いというよりは、僕らが狭く感じるだけなのかもね!生き物や人間っていうのは縁でつながってるものさ! 道中、もう二度と会わない人もいれば、不思議にも何度も会う人もいる….! それは偶然ではなくて、縁というやつなのさ! だからね僕は君たちともう一度会える気がするんだよ!」


小鳥は愉快そうに、俺たちをさらに誘導する。


*              *              *

しばらく行くと川のせせらぎが聞こえてきた。


「そろそろかな…。 僕は誘導できるのはここまで!ここから一本道で、ある村につけるはずさ!少しかかるけどね!そこからさらに街に行くにはさらに時間がかかるけども、村まで行けば、まあ、ひとまず森は抜けれるから!」


「そっか!ありがと!小鳥さん!!めっちゃ助かったよ!!」


安中が笑顔で言った。


「ああ!ありがとな!」


「ハハ! お安い御用さ! 報酬の件、忘れるなよー!」


そう言うとまたしても小鳥は飛んで行った。


「じゃあ行くとしますかー!スルメちゃん!川行けるよね?」


安中がスルメに変なことを言っている。


「はい!推定4、5メートルっすかね、飛びますわ」


え….?


するとするめイカちゃんは助走を取り始めた。


「いや、ちょっと待て!危ない危ない!」


「ビビるなって!渋崎―!」


「ちょっとタイムーーーーーー!」


しかし、するめイカちゃんは難なく飛び越える!


「イかー!!!!!」


そんな叫び方があんのかいいいいいいいいい!


そして、無事着地し、その反動で尚も奴は走り続ける。


「なんか気分がノッテきやした!!道なりっすよね!走りますね!」


「おおー!走っちゃえー!」


「イかー!!!」


いきなりのスピード運転に酔いそうになる….!


「イかー!!!」


その時…..


ずっこ!


鈍い音がする。。。。。


「足….くじきやした。。。。」


「だ、大丈夫!? するめいかちゃん!?」


「ちょっとはしゃぎすぎだったんだよお前…..!」


するめイカちゃんは足を本当に痛めたらしく、足首をひねったりしている。


「じゃあちょっと休むか….」


「それもそうね」


俺たちがちょうど交互に馬から降りた時だった。


「やはり人間の気配がするぞ!!!!!!」


「こっちのほうで間違いない!!!次こそとっ捕まえてやる!!」


突然、いくつかの音が近づいてくる。


「え!?なんか来てない!? ってか、なんかやばくないか?安中?」


「た、確かにね….!! これは…. ある村とかでは、よそ者に対して 厳しいとか聞いたことあるなあ。ある時はひどい仕打ちをされるらしい…..」


ひどい仕打ちってなんだ。。。。。? パニックになる暇もないほど早く近づいてくる音達。


「なんとかできないのか!?安中!??」


「えっとね….. こ、これかな!!」


そういうと、こいつはまた叫ぶ。


「秘術!その3!!透明化!!」


いや、こいつやっぱ何でもできるな…..っておい!?


みるみる安中のみが見えなくなった。


「ごめん!これ、一人しかできないの!!後で、たぶん助けに行くから!!」


そう言って、安中は音もなく消えていった。俺とするめイカちゃんを置いて。。。。


「おい!!いたぞ!!馬と人間の男が一人!!」


もう絶対、安中とは旅をしたくない!!


「あ、自分、馬っすけど両生類っす」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ