私2
窓から差し込む朝日の眩しさに私は目を覚ました。
ゆっくりと上半身を起こしたが、体のだるさが全く抜けていない。
ガチャ・・・バタンッ!
「オネーサマー、朝ですよー、御飯ですよー、おっきしないとチューしますよー!!」
大きな音を立てて扉が開かれた。
そして朝から大音響を撒き散らして私のまどろみの邪魔をするちびっ子。
「イーミールー・・・私は眠いんだよ・・・」
宿の娘は朝早くからやたらテンションが高い。
「ダメですよー。もう4日も町から出てないじゃないですかっ!」
人差し指を立てて私の口を塞ぐと、問答無用と私に言い放った。
私の名前はミーティア。
あの日から既に4日も経っている。
絆のネックレスが消えてから全く狩りをする気が起きない。
というか、狩りに行くのがとても怖いのだ。
慣れてる場所の筈なのに、町から出ようとしただけで足が竦んでしまう。
ハンターとしては致命的な状態だ。
「オネーサマ」
「ん?どうしたイミル」
「何があったのかは私には分かりませんけど、スラッとシャキッなオネーサマが格好良いと思います」
どうもイミルは慰めようとしてくれているらしい。
「じゃないと、私が濡れまs」
「ちょっと待て、意味が分からないぞ」
「まぁ私の事はいいのです。オネーサマ、いろいろ悩むのならいっそ原点に立ち返ってはいかがですか?」
原点か・・・一度家に帰ってみるのもいいな。
「イミル。一度家に帰ることにするよ」
「え」
「え?」
「ここがオネーサマの家じゃないですかっ!」
「いや、ここは宿屋で私は客なんだが。というか実家はきちんとあるし」
「じゃぁ私を貰ってくd」
「10歳の幼女が貰ってくださいとかおかしいだろっ!!」
私の名前はミーティア。
この宿、早めに引き払ったほうが安全かもしれない。