write
なんとなく、そう、なんとなく。
何かを書きたい、そう思って、パソコンを立ち上げ、ワープロソフトを起動した。
あまりに漠然とした気持ちのまま、何を書こうかと思考を巡らす。
書きたいと思ったのは、短編。
なんでそんなことを思ったのか、それは私にもわからない。
ただ、書きたいという衝動にも似た気持ちが、唐突に浮上し、テーマも何も決まらないままあれこれ考えている。
恋愛、友情、歴史、風景・・・etc。
雑然とした小さな部屋のあちこちに目をやりながら、頭の中で雑然とテーマを探す。
実を言えば、テーマなんてなんでも良かった。
それこそ、机の上に転がっている筆記具でも。
何かを書きたい、そう思っただけなのだから。
そうして、どれくらいの時が過ぎただろう。
ケータイを開いてみると、そこには"23:25"と出ていた。
パソコンを起動して20分。
一文字も書けていなかった。
バーが一定のリズムで点滅しているだけで、そこに文字の羅列はない。
それを見て思ったのが、
――あぁ・・・・・、まるで私の人生のようだな。
この世界における人生というものが始まって18年。
思い返せば、本当になにもなかった。
今のこのディスプレイに映る、A4サイズのウィンドウのように、真っ白。
この指のように、平凡という位置から全く動くこともなかった。
色も動きもない18年間。
どんなカタチで表そうにも、逆に笑えるくらいにつまらなく、一文どころか一言で終わってしまう。
ふぅ。
一息吐く。
ごちゃごちゃ考えても何も変わらないのに。
それを分かっていながら、こうして時々ごちゃごちゃと考える。
何かを書きたかった、そのはずなのに、いつの間にかそんな気持ちは泡のごとく消えていた。
あー、つまらない。
この世界も、そんな世界で送る日常も、私自身も。
面白くもなんともない。
けど私は、こんな平和すぎてつまらなすぎて、すぐにでも飽きそうな世界が、わりと好きだ。
そうか。だったら、この過剰も不足もない"好き"って気持ちを書いてみればいいんだ。
ようやく、文字の連なりが始まる。
何を書きたっかのか、自分自身さっぱりだ(-_-;)
まぁ、なんでもいいか。