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Odd I's  作者: TEAM,IDR
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「Odd I’s 設定」

「Odd I’s 設定」

・タイトルの意味

オッドアイ(Odd Eyes)を持つキャラが主人公だからである。

EyeとIがかかっている。Oddとは奇妙という意味と奇数という意味がある。奇妙な眼と力を持ったキャラの物語であるということを示している。

「Odd I’s」は「オッドアイズ」と読み、最後の「s」は複数形のエスでもある。オッドアイのキャラが複数人いるから。そして所有格を示す「s」でもある。「私の~」と繋がるような捉え方もできる。さらに「I’s」の部分はBe動詞「IS」の意味にもとれる。ISをBe動詞にすると「Odd(Eye)は~」と続く意味になる。続く単語をそれぞれのキャラが見つける物語でもある。



・「Odd I’s」が始まるまで…

 初代メンバーの一人である四条紫雲が空から伸びる『逆さまの樹』を発見した。これが『邪悪の樹』だと気づいたのは異世界で一度目にしたことがあったこと、知識豊富なロボットがすぐ近くにいたからである。

 人の感情、思考は脳の電気信号が引き起こしている。電気に関する能力を持っている紫雲はそれを感じ取れるようになった。そして、人から発せられる感情、想い、オーラ、気配、ストレス等の人間の心と呼べるようなモノが集まり、「邪悪の樹」を成長させているということを感じとることが出来た。


 直感的に「邪悪の樹」は人間にとって害のあるものだと感じていたため、独自に調査を開始し取り除こうとした。しかし、別の次元に存在している概念的な存在であるため、直接触れることや、紫雲以外の“物”で調査することもできなかった。

 本気を出せば消し飛ばせそうではあったが、その大樹の源が人間の心である以上、どんな影響が出るか確信が持てずに実行には移せなかった。


 それからしばらくの時が経ち、またあることに気づく。それは邪悪の樹が人の想いから出来ているということ、それも「罪」と言われるような『邪悪』に触れた人間の想いから形成されているということに気づいた。そして、ある仮設を立てて実験を行い、それがおおよそ正しいことであると判断する。

 それは「罪を美徳によって浄化すると邪悪の樹からエネルギーが奪われる」ということだ。「邪悪の樹」が人間にとって害であることは、親友の癒丹銀河も同意した。銀河は直感力が非常に優れており、未来透視の能力を使ってまで確かめた。(初代メンバーの「改変」がなければ人類が滅亡するほどの出来事が起こるとされていた。そして、改変後も『可能性』を信じて多くの人間を救ってしまったため、滅亡へのレールに乗りかけている状況になってしまっている。その滅亡への予兆を認識できるのが紫雲と銀河だ。)その「邪悪の樹」を取り除くために必要な『浄化』という行為を積極的にしなければならない状況だということが分かったのだが、また別の問題もあった。

 初代のバラレンジャーのメンバーは『浄化』という行為が行えない。その理由は大きく二つある。一つは大きすぎる力によって邪悪な力をそもそも寄せ付けないからである。もう一つは『高潔な魂』を持っているため、罪を背負うことがないからである。この二つの理由のためにバラレンジャーは『浄化』を行えない。そのため『浄化』を行えるのはある程度罪に侵される人間でなければならない。

 他の問題としては、『浄化』という曖昧で具体性に欠ける手法しかないということ、更には数人程度が自分の罪を『浄化』できたとしても邪悪の樹から奪えるエネルギーが非常に少ないということが挙げられる。 全人類が誠実に生き、善を目指して生きようと心掛けることができるのならば、邪悪の樹は消滅するが、当然そんなことにはならない。

 そこで考え付いたのが罪を集中させ、人間の代表者に浄化させることで邪悪の樹の消滅を目指すという試みである。

紫雲の調査の結果、紫雲の能力を使えば一時的に邪悪の樹の源である「罪のエネルギー」を移動させることができると判明した。罪のエネルギーを別の物に宿らせ、その物に近い人間、それを所持している人間に浄化を行わせようとしたのだが、世界を破滅に向かわせるほどのエネルギーであるため一人に任せるわけにはいかなかった。

 そのため、バラレンジャーがマンツーマンで面倒が見れるように11の物体に罪のエネルギーを宿らせ、更にバラレンジャーが持つ「聖のエネルギー」を加護として宿らせることで「大罪」に対抗できる手段の一つとしようとした。

物であればどんな物であっても「罪と聖のエネルギー」を宿らせることができたのだが、罪という悪魔に立ち向かうために必要な物、聖なる力を正しく示すために必要な物ということで『武具』に宿らせることにしたのである。


 これが「Odd I’s」の物語が始まった経緯である。 「世界を救うために、大罪を宿らせそれを自分たちの代わりに浄化してもらう。そのために人間に武具を託して闘ってもらう。」という、何のデータも示せない、直感と能力を使った体験から得た証言から導いたこの選択を信じて協力したのは初代メンバーの絆があったからに他ならない。結果的に世界を…人類を破滅から救うことになったのだが、人類はこのことに気づくことはない。そのため、彼らが称えられることもない。

だがしかし…たとえ称えられることがなくとも…認められなくとも…彼らは間違いなく、世界を救った英雄だ。


(ちなみに、改変前の出来事だと地球全体が大規模な被害を受け、人口そのものが減少したため、エネルギー不足で邪悪の樹は完成しなかった。しかし、不安や不満、不況などが絶えなかったために「罪のエネルギー」は生み出されていた。それを聖の方向へ導いたのは……それはまた別の話…)



・「Odd I’s」のテーマ

 今作品では「二面性」と「アイデンティティ(自分を自分たらしめる物)」を全体のテーマとしている。今作品では人間の二つの相反する性質を分かりやすく「天使」と「悪魔」で表現している。オッドアイも二面性が顕在化を表したものである。

人は良い面と悪い面を持っている。「その二つの性質とうまく付き合いながら生きることが大切だ」というメッセージがある。


 先程「Odd」には奇数という意味もあると書いたが、これは「二面性」の要素とは矛盾しない。なぜなら二面性を抱えた一つの存在だからだ。それか、三つ目に現れた本当の自分なので偶数ではなく、奇数を示している。


 「アイデンティティ」について。人間には二面性があり、迷ったり他人の意見があったりするとどれが自分の考えなのかわからなくなる。成長したり、欠損したりして変化を繰り返した時にまだ自分のことを自分であると言えるのか?言えるのであればそう思える要素はどこにあるのか? その、自分を自分たらしめる物。つまり、『変化の先に得た自分だけの答え』。それこそが自分そのもので最も大切にしていくべき『魂』のようなものだと思う。「Odd I’s」は二面性の先にあるアイデンティティを見つける物語である。



・天使と悪魔について

 「Odd I’s」の主役11人はそれぞれのセフィラに対応している。そしてそのセフィラに対応している天使と悪魔がいる。オッドアイズメンバーはその天使と悪魔が司る要素の思考が流れてくるタイミングがある。


 一般的に天使は良い存在で、悪魔は悪い存在であるが、今作品ではそれらに善悪はない。人間が悪魔と呼んでいる性質と天使と呼んでいる性質なだけである。どちらが善い悪いではなく両方とも必要でうまくバランスを取るべきだと暗に諭している。


 天使が持つ要素も悪魔が持つ要素も適切なタイミングで強めることが出来れば、自分が望む道を進むための手助けをしてくれる。 作中でも、悪魔の囁きによって心が守られる場面などがある。



・名前について

 主人公キャラの名前は登場時、全て偽名であったり、名を呼ばれないでいる。これは、それぞれのキャラが自分の存在を誇りに思えておらず、「アイデンティティ」を見つけられていないことを示唆している。目を背けたくなるような己のマイナスの部分、それらを全て受け入れ「アイデンティティ」を見つけて自分の存在を証明できた時に初めて名前が判明する。


 名前が後に判明する展開はテーマに沿った構成だが、そもそもは驚きのある展開の物語を書きたかったからという理由もある。ミスリードをしてみたかった。



・大罪について

 人は誰しもが罪を犯しながら生きている。完璧な存在は神だけであり、罪を犯すから人間であると思う。今作品では『怒り』、『貪食』、『淫蕩』、『憤怒』、『アケーディア(嫌気、霊的怠惰)』、『虚栄心・自惚れ』、『嫉妬』、『金銭欲』、『色欲』、『傲慢』、『高慢』、『悲嘆・心痛』、『怠惰』、『強欲』、『暴食』の計15の大罪を背負った罪人が出てくる。

 「Odd I’s」ではそれらの罪の浄罪が一種のゴールであり、罪と向き合い『美徳』へと変化させることを重要視している。美徳を手にした人間は以前よりも高等な存在へと進化する。進化した人間は神に近づき、罪に穢れた人間を導く光となるだろう。


 「Odd I’s」の主人公たちが他の人間よりも圧倒的に強い罪を背負ったのは人間離れした力を手に入れたから、または手に入れる運命だからである。武器は美徳の強さに呼応して強くなる。そのため、『美徳』を手に入れることが出来たキャラは『神具解放』ができ、本来の武具の強さに加え、本来なら負のエネルギーである悪魔の力も同時に扱うことが出来る。



・生命のセフィラについて

 生命の樹にはケテル(王冠)、コクマー(知恵)、ビナー(理解)、ケセド(慈悲)、ケブラー(峻厳)、ティファレト(美)、ネツァク(勝利)、ホド(栄光)、イェソド(基礎)、マルクト(王国)、ダアト(知識)の11個のセフィラが存在している。

 今作品では生命の樹と対になる邪悪の樹も取り扱う。生命の樹と邪悪の樹は表裏一体となっているものとしている。『伝説の武器』を手にする11人の主人公がこの物語の中心、つまり始まりの『樹』となる。彼らは人ならざる力を手にすることで邪悪な側面を強め、悪魔に近づき「邪悪な樹」を形成する。しかし、浄罪を果たし誇りを手にすることで美徳とされるセフィラを作り、「生命の樹」となる。



・生命の樹の解釈について

‣神の存在を表している。

‣人の成長の流れを示している。

‣王冠の方に根があり、神に近い。王国(地球)の方に葉があり、人間に近い。


 まず一つ目の解釈、「神の存在を表している」。これは全てのセフィラ、つまり「オッドアイズ」の覚醒戦士が11人揃うと神と同等の力になることを示している。作品の中での『神』とはバラレンジャーの誰か一人のことである。バラレンジャーは神の力を手に入れ、永遠の命を手にしたことで精神も神に近づいている。あとは、美徳を手にした11人の思考を集結させることで神にのような高尚な思考へと近づく。という面でも神を表している。


 二つ目の解釈は「Odd I’s」ではあまり触れない。ただ、次回作ではセフィラとセフィラを繋ぐパスに対応したキャラが現れるのでそこで取り上げることにする。


 三つ目の解釈も「Odd I’s」では深く触れないが、王冠のセフィラを司る「大賀 巫言」は神を祀る立場だったので神に近い存在と言える。逆に王国のセフィラを司る「シリュー」はロボットという完璧な存在から様々な葛藤や経験を通して人間に近づいた。

ただ、王冠と王国のセフィラは同一視されることも多いので「シリュー」が神に近いという考えもできるかもしれない。 シリューはAIロボット達のトップ(神)へ立ったので。



・バラバラから始まる物語

 いつ、武器を手にするのかも、いつ覚醒するのかもバラバラ。いる場所もバラバラ。バラバラな状態からはじまり、最後は一つの場所に集まる英雄の物語。

バラバラからそれぞれの道へ… という展開はバラバラ(バラレンジャー)から始まったが、罪を浄化しオッドアイを受け入れるという、初代から二代目への作品移り変わりも表現している。



・特に罪の重い三人

 「誇温」と「一」と「紗良」の3人は作中の中でもかなり暴れている。何故かというと、この3人はバラレンジャーの直結の子孫であるため、持っている力も強力で引き寄せてしまう罪の力も大きい。それを人の心で抑え、世界を破滅に向かわせなかったのは二代目キャラと初代キャラの適切な関わりのおかげである。



・「絶対視認」(アブソリュートアイズ)について

 「オッドアイズ」全員が使える能力である。光速で動くユニコーンですら捉えることが出来るのはこの能力のおかげである。

 通常の視覚のように光をとらえて認識するのではなく、エネルギーを感じ取って認識している。ちなみにその情報処理は0秒で行われる。人智では計り知れず、時空すらも超越した能力である。



・世界観の捕捉

‣車は自動運転が主流。バスやタクシーも自動運転化している。通学や通勤に使う人は多い。携帯を使うことですぐに呼べる。 マニュアル運転にすることも出来るが、16歳以上の人が教習所に通ってもらえる免許が必要。

‣ちなみにバイクの自動運転は需要が無いため一般普及していない。

‣20年以上前、侵略者によって街が破壊された。その度に改善されたり、移住が行われたりした。

‣20年以上前に現れた侵略者は人間を狙ったものが多かった。市街地によく出現したため、ヒーローも街中に在中していた。しかし、「ODD IS」で現れるモンスターは侵略者が野生化したものや、既存生物との交配種、ウィルスや細菌などの影響で狂暴化した獣などが主な「敵」になるため人がいる場所にあまり行きたがらない。そのため、この時代では多くの人が都会に住み、田舎への居住は推奨されてない。

‣この時代の人にとっての「敵」は基本的に野生の獣である。そのため、殺虫スプレーや熊よけスプレーなどの延長として武器が売られている。「紫雲社」で開発されたライトマグナムはその類である。しかし、当然正当な理由がなければ持ち運びや使用は認められない。そしてそもそも、人間に向けて使用できないような武器しか販売は認められていない。(トリガーにロックがかかっているなど)

‣ヒーローが沢山いた時代では許可を取ったヒーローは刀剣類の使用が認められていたが、現代では特殊な仕事をしている人にしか認められていない。その特殊な仕事の一例としては八城一がしている害獣駆除の仕事である。ちなみに楓は資格を持っていないので武器の類は所持していない。本職は探偵である。

‣軍事開発されたヒーローが主に使っていた「変身」の技術は今では一般に普及している。ポケットティッシュほどのサイズに服が収納できるので、学生が特に重宝している。災害時であったり様々な職種の人にも役立っている。

‣医療技術、科学技術は20年以上前から大幅に発展した。これは新種の生物から着想を得て発展した技術や、人類が追い込まれたことで使わざるを得なかった技術の解放が関わっている。 科学技術の中でも特にエネルギーに関する技術は飛躍的に進化した。効率が良く、出力の高いエンジン、エネルギーが使用されている。

‣寄生虫を使った洗脳はかなりの精度で活用できるようになっている。32話の「家族や近所の人を殺害し、その後焼身自殺」という事件は寄生虫が原因である。寄生虫の証拠を消すために焼身自殺させたのだ。 幾たびの非人道な人体実験の末に生み出され、オッドアイズとの最終決戦に使われた洗脳生物兵器『寄生虫』。これほどまでの闇を生み出してしまったのはバラレンジャーなどの、人類を超えた存在に近づく為の焦りが原因である。バラレンジャーは多くの人間を救う道を選んだというのに、それが深い闇を生んでしまうというのは皮肉である。




・ドラゴンについて

 ドラゴンは元々地球にも存在していた生物であったが、大昔に捕獲され、別の知的生命体に利用されている。 生物兵器となったドラゴンは戦争の道具として地球に送り込まれた。

 ただ、その中の数体は利用されていることを理解しており、なんとか支配下からのがれるために地球に子孫を置いて行った。いつか、あの種族に復讐するために……囚われの仲間を救ってもらうために……。



 「なつろーくん」は雪からレジェンダリーウエポンを貸してもらい、復讐のために使うつもりであった。しかし、あまりにも強大な力を制御することは出来なかった。さらに、レジェンダリーウエポンを扱うためには『高潔な魂』を持つことが絶対条件である。

だが、このドラゴンにはその資格がなかった。人間と敵対しないために、人間を欺き、復讐のために力を手に入れようとした。そのため、魂は穢れてしまった。 復讐も叶わず、身動きもとれなくなってしまったドラゴンは自分のクローンを生むことに尽力し、長い年月をかけて卵を産んだ。

そして、己の限界を悟ると好戦的なドラゴンとコンタクトをとり、腹の中の武具を継承しようとしたのである。 結果的に巫言に渡ることとなってしまったが……



 ドラゴンは雌雄同体で、雌にも雄にもなれる。そして、個体数が少ないためクローンのような自分とほとんど遺伝子が同じ子どもを産むことも出来る。その方法でドラゴンは地球に7体のドラゴンを産み落としていった。 本来なら、それに気づいた異星人が回収なりなんなりをするはずだったのだが、バラレンジャーの攻撃により撤退。ドラゴンの子どもはそのまま地球に残ることとなった。その残ったドラゴン7体が作中で存在しているドラゴンである。


・サブタイトルの意味

5話「叛逆の烽火」、15話「大罪の魔炎」、16話「英雄の灯火」、41話「美徳の蒼焔」

 紗良がメインのストーリーのタイトルには「火に関する言葉」が使われている。烽火と灯火…魔炎と蒼焔…叛逆と英雄…大罪と美徳…と、対になっている。

 ちなみに個人的なパワーバランスとしては「火」<「炎」<「焔」となっている。



14話「自己の証明」

 シリューは曖昧になってしまった「自己」を証明するために思考を巡らせていたが、その後にAI島侵攻作戦で起こった「事故」を証明するために世界へ配信した。

 自己と事故がかかっている。



17話「原因との際会」

「際会」の意味は重大な事件や時機にたまたま出あうことである。めったにない事件や機会にたまたま出あうことをいい、人に対しては使わない言葉である。

 タイトルには「原因」とあるので、結果もあるはずだ。この回の結果というと「藍と出会ったこと」「両親が亡くなったこと」「悪魔と天使に囁かれたこと」がある。


 藍との出会いの原因は自殺を図ったことである。その自殺未遂の事件に際会したことが「原因との際会」と言える。

 両親が亡くなった原因は(テロリストの襲撃)(高額な医療費)にあるが、この二つは社会の闇という一つの原因とも言える。この二つの他にも、未成年が体を売ったり、その行為を悪用するような輩がいることも社会の闇である。そんな原因(社会の闇)に何度も際会してしまったので「原因との際会」と言える。

 悪魔と天使に囁かれた原因は何か?それは藍から武具を託される運命にあったことが原因である。聖の力と邪の力、両方が備わった武具を手にする者は悪魔の声も天使の声も聞くことができる。 貴峰が持っていた運命に導かれ、藍という原因に際会したので「原因との際会」と言える。ちなみに原因を藍とするなら「藍との再会」という言い換えも出来る。この回の冒頭で数日振りに藍と再会していたので。



 そして、「原因との際会」に含まれた意味はこれだけではない。先程の説明で「武具を託される運命だったから悪魔と天使に囁かれた」と言った。がしかし、この設定が適用され、武具を手に入れる前にその性質を発現したのは貴峰だけである。それは何故か?その原因が藍にあるのだ。

 藍はこの時既に「虚数空間」へのアクセスを可能にしていた。イマジナリースペース、iの世界、『藍の世界』を手に入れていた。『藍の世界』は現実の時間軸に存在しないため、因果関係が適用されない。つまり、結果を先に手に入れることが可能となっている。

 藍だけに許された因果の逆転。藍は紫雲から武具を受け取り、それに相応しい人物に託そうとした。そのため、「武具に相応しい運命にある人に託した」という「結果」を先に創り、現実世界で「原因」をつくろうとしていた。そう、その結果に相応しい原因となったのが貴峰だ!

 「原因との際会」というタイトルは一見、貴峰のことを中心とした意味に思えるが、実は藍の視点からも超重要な意味になっているタイトルなのである。



20話「奇跡的な偶然」

 奇跡的な偶然が重なれば誰しもがそれを「運命」だと感じるだろう。だが、あくまでも「偶然」だとしている。それは運命を認めていない「大賀 巫言」の物語だからである。

 神を否定して生きる巫言が、神が定めたような運命を信じるはずがない。という意志の現れである。


22話「神子とは…」

 神の子である巫言はどのような気持ちで生活していたのかが分かる回。なので神子とは~と説明するようなタイトルになっている。

 そして巫女という役割についても説明が入っているので巫女とは~と説明するタイトルともとれる。

 さらに巫言はこの回で、過去を思い出しこれからどこへ向かえばいいのか見失っている。なので「巫言は…どうしたらいいのだろう…」という意味の「みことは…」と捉えることもできる。



24話「猫に小判」

 ことわざの通り、恩実に強大な力を秘めた武具は相応しくない、価値が分からないという意味でもあるし…

「猫」がライオンと呼ばれている「恩実」を指し、「小判」を「お金」と言い換えればそのままでも意味が通る。



27話「奇跡なんて無い」 28話「…と思った?なんちゃって…!」

 みどりが志紀に対して「奇跡なんて無い」と言ったのには理由がある。そもそもみどりはあの時、悪戯によって大切な庭を荒らされておりとてもイライラしていた。それ以前にも生活を邪魔されることが多々あり、人間のこと自体を嫌っていた。もっと言えばみどりは元々ブラック企業で働いていたこともあったので人間不信で嫌悪感をどこかで抱えていた。

 だがしかし、みどりはれっきとした『ヒーロー』である。しかも、みどり自身も絶望的な状況から奇跡以外の何ものでもない力を手に入れて這い上がった経験をしているので、助けを求めに来た年端もいかない少女に「奇跡なんて無い」と冷たくあしらうのはみどりらしくないと言える。違和感を覚えるかもしれない。

 では何故、そんなこと言ったのかというとみどりは志紀が「自分のためではなく、母親のために行動している」ということを知った時点で助ける気満々だったからである。そして、さらに話していくにつれて「ヒーローの素質がある」ことも分かり、「そういえばあの武器、誰にも渡してなかったな…そろそろ託しとかないとかな…」と思ってヒーローにすることを決意した。だから、助ける気があっても「奇跡なんて無い」と現実を突きつけ、辛い出来事を乗り越えさせるという成長体験をさせようとしていたのである。

 その証拠として、27話と28話のタイトルを繋げると「奇跡なんて無い…と思った?なんちゃって…!」と冗談めかして言っているような文になる。


 余談だが、その流れで行くと29話と30話のタイトルもちゃっかりつなげることも出来る。つなげると「ヒーローと寄生虫」となるのだが、これは九頭堀と寄生虫がメインとなる次の話を表すことになる。


29話「ヒーローと…」

 この辺りの話の中心は魔女と娘である。だが、作中でこの二人は関係や呼び方を何度か変えている。魔女と娘、魔女と弟子、先生と生徒、みどりと志紀…のように何通りかの呼び方が出来る。

だが、志紀はみどりのことを『ヒーロー』だと言った。なら関係はヒーローと○○とも言えるかもしれない。なら○○にあたる部分、志紀が変わるなら…。そんな想像ができるタイトルです。



31話「一石二兆の銀拳銃」

 察しの通り、一石二鳥をもじっている。九頭堀なら一つの石で2兆の鳥を撃ち落とせるという比喩表現である。 それだけではなく、九頭堀は二丁拳銃をメインウェポンとして使っているので「二鳥」「二兆」「二丁」がかかっている。



32話「高嶺の花道」

 「高嶺の花」と「花道」と「貴峰の道」の三つがかかっている。



38話「届かない光…」

 「届かない光」とはなんのことかと言うと複数ある。一つは誇温の父、銀河の背中のことである。憧れの光である父にはどんなに手を伸ばしても届かない程、先にある…。

 トリシューラとエクスカリバーの戦いではわずかにトリシューラが(まさ)った。光の力は風の力を打ち破るまでに至らなかった。これが「届かない光」の二つ目の意味である。

 父とは若くして死別してしまい、会うことが出来なかった。 父が宇宙にいる時もその光は地球へとは届かない。父がいない間には母と共に大変な苦労をした。 家庭の光である父がいなかったということも意味している。

 ユニコーンで暴走状態になっている時、心の奥には光は届かなかった。ただ、怒りという闇で覆いつくされてしまっていた。その状態も意味している。

 「光」という言葉は色々な比喩表現に使われる。そのこともあり、たくさんの意味がこじつけのようにつけられるが、もう一つ重要なことを意味している。「届かない光」とは誇温の宿命を表している。この意味が理解できるようになるのはまた別のお話だが…捕捉するなら銀河は「ピンチに必ず駆けつける光」であると言える。



42話「アイの集い」

 ダジャレが好きなのでこのタイトルにした。仲間に「会い」に、力は「Eye」に、答えは「愛」に、そしてこの回のメインキャラ3人の繋がりは「藍」にある。

 これらの「アイ」の意味が重複していること、藍を中心とした関係なためこのタイトルとなった。



・小ネタ、ちょっとした解説

不幸にもテロリストに殺されてしまった「伊東 有馬」

この人物は紫雲社のトップであった「四条 紫雲」の代わりを務めていたほどの人物であるが、名前を少しいじると…

伊東 有馬→いとう ある・ば→イトウアルバ→アルバイト

となってしまい会長クラスの人物の名前が限りなくバイトに近いというネタである。

しかし、この伊東という一家。この事件を皮切りに次々と不幸な出来事が続いてしまう…まるで呪いでもかかったのかのように……

そんな呪いを背負う一族…この呪いを断ち切る者は出てくるのだろうか……



黄慈「友達に料理が得意な人がいてね…」

 これは金一のことである。

年に一度、バラレンジャー全員でお正月に集まる「薔薇の会」。その時にも金一は料理を持って行ったりもするし、彼らが碓來家に訪れた際も手料理を振舞っている。

黄慈は一人暮らしなので、金一によく料理を教わっていた。最近ではワインに合うおつまみを二人で考えるのにハマっている。



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