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Odd I's  作者: TEAM,IDR
52/58

最終章-16「英雄集結」

「Odd I's」

最終章「オッドアイの英雄」

第52話「英雄集結」

ラストバトル開幕!!


バチバチィ!!

電気を纏った刀がモンスターに突き刺さる!


AI棒「!?」

琉歩「くっ!?」


丸みを帯びたスライムのようなボディから触手を伸ばすモンスター。

距離を取る琉歩


琉歩「やっぱりな…こいつ電気が効かない!」

AI棒「絶縁体で出来ているのか…こいつら私たちを調べつくし、徹底的に対策をしてきている…!」

琉歩「あぁ…そうだな…今でも絶え間なく妨害を受けているしな…!」

AI棒「斬撃は有効なはずだ!仕切り直して攻めてみろ!」

琉歩「おうよ!」


カッ!! ザンザン!!

伸びてくる触手を斬り払い、ハンマーのような腕を斬り落とす!


琉歩「どうだ!これで…っ!?」


斬り落としたはずの肉片が絡みつく


AI棒「こいつ…!?単体の生物ではなく、複数の生物の集合体か!?」

琉歩「んな解説はどうでもいい!どうすんだこれ…っ!!」


両腕を封じられながら敵の攻撃を避ける。

バチバチ…!

琉歩「電撃をくらわせても意味ねえな…!」

AI棒「敵の攻撃が激しくなっている…まずいな……」

琉歩「AI棒!何かいい方法はねぇのか!?」

AI棒「…琉歩…死ぬ覚悟はあるか…?」

琉歩「は!?」

AI棒「私がお前ごとぶった斬る!!」

琉歩「お前、オレを生かしたいのか殺したいのかどっちなんだよ!?」

AI棒「生かすために殺す気でやるだけだ!」

琉歩「クッソ……こいつを斬った後どうすんだよ……ほんとに死んじまうぞ……」

AI棒「…お前の能力は覚醒しかけている…私には呼び出せなかった幻獣まで使役している…」

琉歩「幻獣って…あれか……」


チラリと上空で佇むフェニックスを見る。


AI棒「お前の真の能力は電気を操る能力ではない…」

琉歩「なんだと……!?」

AI棒「不死鳥が如く、何度でも蘇る力を持っている…!!」

琉歩「何…!?」

AI棒「……はずだ」

琉歩「っておい!適当なこと言ってんじゃねぇ!オレの命かかってんだぞ!」

AI棒「うるさい!他に方法などないだろう!それにな…こんな所で死ぬようならそこまでの“漢”だったというわけだ……だがお前は…こんな所で終わる漢じゃないだろう…?」


思わず足が止まり、顔がにやける。


琉歩「おめー……はっ、流石だな……なら…やってやろうじゃねぇかよ!!!」

AI棒「ふっ…そう来なくてはな!!」

バチィッ!

琉歩「そらぁ!!」

手に持っていた刀を落とし、モンスター目掛けて蹴りつける!

ザンッ!……ザンッ!ドスッ!!

モンスターを貫いた刀はUターンして琉歩に突き刺さる!!

琉歩「ぐっ!!!!!うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」

ドシャァ…!!


肉片ごと、琉歩の体を切り裂いた。

両腕の拘束は解かれたが、胴体に大穴が空き倒れる琉歩…地面に突き刺さる刀…


グオオオオ!!

モンスターが腕を振り下ろす!

………カッ!!バァンッ!!!!!!


稲妻が走った瞬間、琉歩の体は再生しており、敵の攻撃を刀で受け止めていた!


AI棒「今だ!!これで終わらせろ!!」

琉歩「当然!!」


漢道来瞑(かんどうらいめい)…ッ!!!


ピカッ!!

………ザン!!!!!!!!!!!!


スーッ……キン!

放たれた覚醒の一撃…

絶縁体などものともしない超高電圧により、細胞を全て破壊した。

もう二度と動くことのない肉片を背に漆黒の不死鳥は静かに刀を収める…


「Unknown-6の反応…途絶えました……」

「ばっ…!?……ふ…だが、ダメージはあるはず…ヤツはここで仕留める!」


ズゥン…!


グオオオオオオオオオッ!!!!


「間に合ったな…[Unknown-7]…!」

琉歩「っ!?なんだアイツは!?」

AI棒「増援か!?」

「…やつは制御の効かない失敗作だが…性能は歴代最高…相打ちにでもなってくれれば上々だ…!」

琉歩「向かってくる!」

AI棒「ちっ…!まだ戦えるか!?」

琉歩「やるしかねぇだろ!」


疲労困憊の中、再戦の覚悟を決める琉歩。だがそこに…

ビシャァン!!!バリバリバリ…!!!!!!


空全体が稲妻で満たされる。

琉歩「っ!体が軽くなった…!?」

AI棒「…今のは…!」

ズドンッ!!!!!!!!!!!!!!!!

ピンクのヒーローが空から降ってきた。

モンスターにかかと落としが直撃。絶縁破壊をしながら一撃で粉砕した。


紫雲「久しぶりだな…ベルフェゴル…」

AI棒「……マスター……」

琉歩「え!?こいつ…いや、この人が…マスター…!?」

紫雲「君が俺の能力の継承者だな……君を迎えに来た…」

琉歩「迎えにきたって……」

AI棒「AI島への集結…あれはマスターも絡んでいる、ということか?」

紫雲「その通りだ。君には何度も連絡を入れたはずなんだが…」

AI棒「お前のことなど信用できるか!…だがまぁ、こうして直接会いに来るのなら多少は信頼できるか…」

琉歩「なんだ?お前らどういう関係なんだ?」

紫雲「実は…その人工知能を開発したのは僕の会社なんだ。能力の継承者を誰にするのか非常に悩んでね…正解の選択をするためにAIに選択を委ねたんだ。その結果、君が継承者として選ばれたというわけだ。」

琉歩「へぇ~……」

AI棒「自分の息子を戦争に巻き込まないための体のいい言い訳だ…。そして、決断を委ねると言っておきながら責任逃れをしているだけにすぎん…」

紫雲「はは…酷い言われようだなぁ……でも、そう言われても仕方のないことをしてしまったのは認める。君に責任の一部を背負わせたことで僕の心も軽くなった。信じてくれなくてもいいが、僕はどんな結果になったにせよ責任はとるつもりでいた。そして、君の判断を信じ、君のことを信頼していた。」

AI棒「ふん…口だけではなんとでも言える…」

紫雲「…麓取琉歩くんだよね…?」

琉歩「え…はい」

紫雲「ありがとう…!君のおかげで世界は救われた…。そして、もう一人の息子と言えるベルフェゴルと一緒に居てくれて…ありがとう!」


頭を下げる紫雲


琉歩「いやいや!オレべつになんもしてないですって…!…確かに…何度もこいつのこと嫌いになったり、めんどくせーなって思ったりしたことはありますけど……でも、オレはこいつに出会えてよかったって思ってますから!」

紫雲「琉歩くん…!」

AI棒「こいつはマスターが思っているよりもすごいぞ?」

紫雲「そうだな…!いい人を見つけたな…!」

AI棒「ふん……そうだ、ここまでの偉業を成し遂げたんだ。マスターの機嫌が良いうちに褒美をねだっておいた方がいいぞ」

琉歩「え、褒美?ん~…」

AI棒「マスターはあの紫雲社のトップだ。欲しい物などいくらでも貰えるぞ?」

琉歩「えぇええ!!?」


驚きのあまり絶句する


紫雲「もちろん!それだけのことを成し遂げたんだ。どんな物でもねだってくれ!」

琉歩「え…え~?なら…オレ…そろそろ車とか欲しいな~って思ってたりして……」

紫雲「車?もちろんいいよ!紫雲社オリジナルの最高級の車をプレゼントしよう!」

琉歩「え!?ホントに!?……え!?ほ…ほんとに!?」

紫雲「あぁ、あとで正式にやりとりをしようか。車だけでなく他にも欲しいものがあれば遠慮なく言ってくれ。ただ…今は戦争を終わらせることが先だ。ついてきてくれるか?」

琉歩「はい!!」

AI棒「おい、あんまり調子に乗るなよ!?」


琉歩と紫雲が合流し、AI島に向かう。

琉歩と紫雲が到着するまでの間、AI島には次々とオッドアイメンバーが集まっていた。



遡ること数時間…


最初に戦闘を開始した紗良

能力を覚醒させ、蒼焔の一撃を放ったことで、数百メートルの高さの水しぶきを上げてしまった。

そのことで、近くにいた客船はもちろんのこと、陸からもそう遠くないため津波の被害に遭ってしまう。はずなのだが…


??「流石は虎の娘…凄まじい暴れっぷりだな……」


ビュォオオオオ…!!

流れを操る能力で、水流の動きを抑えるヒーロー。


紗良「……はぁ……はぁ……やっと……やっと終わった…………はぁ…しんどかった………」

敵を仕留め、サラマンダーの背に乗り上昇する紗良。

視界はぼやけ、極度の疲労と、酸欠によって気を失ってしまう。

??「おっと……ふ…よく頑張ったな………あとはゆっくり休んでくれていい………」

それを抱き留める金色のヒーロー。



紗良を背負ってAI島に向かって飛んでいる。


紗良「ん……?」

??「起きたか…?」

紗良「わ!叔父さん!?」

??「久しぶりだな」

紗良「わー!龍牙叔父さ~ん!」


叔父の顔を見て安心する紗良


龍牙「…今、AI島に向かっている。バラレンジャーを含めて能力者全員で話し合うんだ」

紗良「へ~そうなんだ…大変なことになってるもんね…」

龍牙「…降りて自分で行くか?」

紗良「え!?おぶってくれないの?」

龍牙「……べつにいいんだが…年頃の女の子だろう……」

紗良「えへへっ!いいじゃん!久しぶりにおんぶしてよ!」

龍牙「…しょうがないな…」


紗良の能力で空を飛ぶのは容易ではないので、昔みたいに叔父に甘えている。


紗良「ねぇ…パパは来てくれないの?」

龍牙「あぁ…もし虎羽が来たら海の水が無くなっちまうからな…」

紗良「あはっ!なにそれっ…叔父さんって冗談言うタイプだっけ…?」

龍牙「ははは…まぁあいつでもそこまではやらないか……」

紗良「え…本気で言ってる…?」

龍牙「親子喧嘩したことないのか?」

紗良「ん~最近したんだけどもう仲直りしちゃった…!」

龍牙「!…はは…そうか……」

紗良「パパってそんなに強かったの…?」

龍牙「そうだぞ……自慢の弟だ…」

紗良「そっか……………でもざんね~ん…これであたしもパパを越えたかもって思ったのに…今の話が本当なら敵わないなぁ…」

龍牙「……そんなことないさ……君は世界の闇を浄化しながら戦ったんだ。弱い心に負けることなく、正しい力の在り方を示した…それは誰にでも出来ることではない…もちろん、オレ達にもな……だから…誇っていい…」

紗良「…!そっか……ありがとっ、叔父さん!」

龍牙「…ん……」




桃華「朱祢さま…お元気そうで…!」

朱祢「えぇ桃華も…というかボディ変えたの?」

桃華「そうなんです!いかがです?大人になったワタシの姿は…!?」

朱祢「ふふっ…とても似合ってる…桃華らしさもよく出てると思う…」

桃華「ふふ…ありがとうございます…!」

みどり「お~い!桃華ちゃ~ん、朱祢ちゃ~ん!」

朱祢「あれは…」

桃華「みどりさま!」

みどり「一番乗りはならずかぁ~……あれ?」

龍牙「…どうも…」

みどり「ブラウンくん!久しぶり~♪」

瑚透美「あら、紗良ちゃんも一緒なのね」


空で合流する二組。

それを地上から見守る二組。

計4組が最初に合流を果たした。



その頃、星の裏側で癒丹 誇温と八城 一は自己紹介を交わしていた。


一「癒丹…誇温か……ふっ…変わった名前だけど、お前にピッタリな名前だな…」

誇温「ありがとうございます…僕も…気に入ってるんですよ…!」

一「………ところで……あれ…どうする…?」


一が指さすのはズラリと並んだ戦車の大群。


誇温「はは……どうします…?」

一「一応聞くがまだ戦えるか…?」

誇温「無理です…さっきのですっからかんです…」

一「だよな…アタシもだ……」


ドンッ!!ドンドンドン!!パパパパパ…!!!


誇温「うわっ!撃ってきた!!」

一「くっ…!とにかく逃げるぞ!」


駆け出した瞬間、二人の『絶対視認』(アブソリュート・アイズ)の能力が発動する。

その眼に映るのは亜光速で照射されるレーザー。

疲弊した二人によけきれる速さではない。絶体絶命のその時…


ズドンッ!!!!!!!!!!!

突然、目の前に銀色のヒーローが現れる。

??「大丈夫か…一ちゃん…」

一「…!虎羽おじさん!」


助けに来たのは虎羽。レーザーを拳で相殺していた。


虎羽「…そこの穴、一ちゃんが空けたのか…?」

一「う……ごめんなさい……」

虎羽「…さすがは龍の娘だな…まぁ今回は色んな事情があるからな。何も言わないさ。…これからのことを話し合うために、能力者はAI島に集まることになった。一緒に来てくれるか?」

一「え…そうなんですか…?でも…翼ちゃんと夫が……」

虎羽「安心しろ。二人は無事だ。今は安全な所に避難している。」

一「本当ですか!?…はぁ…よかった……」

虎羽「ボクと兄さんで救出しに行った。だから安心してくれていい」

一「分かりました。…でも…今マジで疲れてて…飛べそうにないです……」

虎羽「嫌じゃ無ければおぶっていくが……」

一「!…じゃあおぶってもらえます?」


虎羽の背中に乗る一。


一「なんだか…昔を思い出しますね…!」

虎羽「そうだな…もうあれから何年経つんだか……大きくなったな……」

一「へへ…!」

虎羽「じゃ、行くぞ」

誇温「え!待ってくださいよ!」

虎羽「ん?」

誇温「ぼ、僕も能力者なんです!僕は連れて行ってくれないんですか!?」

虎羽「君にもじきに迎えが来る。焦らず待ってなさい」

誇温「迎え…?」

虎羽「じゃあ、先に行っているぞ」


虎羽は空気を蹴るように爆発的な加速で飛んで行った。

そしてポツンと残された誇温。

ヒュ~ドン!!ドン!!ドカンッ!!!

弾丸の雨は止まず、次のレーザーがチャージを完了させている。


誇温「…………僕の迎えはー!?ちょっと待ってよ~!?」

チュド~ン!!

誇温「……これ…かなりピンチなのでは…?」

レーザーが放たれる!

誇温「うわ…!?」


レーザーの光に焼かれそうになる誇温。

だが、その前に現れる見覚えのある背中…


銀河「待たせたな…誇温…!!」

誇温「…と…父さん……!?」



一「おじさん…あいつ放っておいていいんですか?」

虎羽「あぁ大丈夫だ。なにせ彼の迎えはバラレンジャー最速だ……せっかくの再会に水を差すのも悪いしな…」



誰もが死亡したと思っていた英雄、癒丹銀河が目の前に現れる!

彼の口から語られる真実とは…!?

そして残りのバラレンジャーはオッドアイメンバーのピンチを救えるのか!?


次回『ヒーローは遅れてやってくる!』


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