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Odd I's  作者: TEAM,IDR
40/58

最終章-4「宿命としての戦い」

「Odd I's」

最終章「オッドアイの英雄」

第40話「宿命としての戦い」

豪華客船の船内

友達の父母が何やら怪しい男と話している


「本当に、娘に危害は加えないんですよね!?」

「ええ…最大限の配慮はします…。しかし、あの能力者は人智を超えた力を持っています…。それに娘さんたちのことも友達だとは思っていないかもしれません…。そのため一時的に危険に晒してしまうかもしれませんが、我々が命がけでお守りします。」

「よろしくお願いします…!」

「報酬ははずみますから…人類の未来のためにご協力を…!」



海を眺める紗良

すると背後から声が聞こえる

「動くな!黒瀬紗良!」


ゆっくり視線を背後に向けるとそこには銃を持った兵士20数名が紗良を取り囲んでいた。

さらには友達二人も銃を突き付けられ、人質に取られている


紗良「何コレ…?ドッキリ?」

「貴様が能力者であることは知っている。我々は貴様を殺しに来た…!」

紗良(急に何なの…?意味わかんないんだけど…??)

「殺すってなんで…!?あたし何か悪いことした!?」


両手を上げて質問をする


紗良さ…どれがバレてるんだろ…

「AI島侵攻作戦にて兵器の大量破壊による妨害…これだけで死罪に値する。が、それだけではない。貴様が危険な能力を持っているからだ…!」

紗良「…………………」

「貴様らの力は世界の平穏を脅かす…よって死んでもらう!」

紗良カチン「…ただ力を持ってるからで殺されるのは納得いかないな~…。てか…そんな銃であたしを殺せると思ってんの…??」


瞳が薄っすらと光る。

船の手すりに肘をかけ、見下すような視線を送る


「…我々もこの程度で殺せるなどとは思っていない…よって、命令する。その海に飛び込め。人質を殺されたくなかったらな…!」

友達は涙目になり、抑えられた手の下で「んー!んー!」と言っている。


紗良「…はぁ……水着持ってきてないんだけど……」

手すりから海を見下ろす


「早くしろ!」

紗良「分かりましたよ!その代わり、その二人は関係ないんだからちゃんと解放してよね!!」


ザッパァン!!


紗良「ぷは!……うわ…さいあく……めっちゃ泳ぎにくいし………ねぇ!これでいいんでしょ!?」

船の上から見下す男

「あぁ…約束通り人質も解放した…」

紗良「で…?こっからどうするつもり?このまま泳いで帰れとか言うんなら船ごとぶっ壊すけど…?」

「ははは…すぐに還れるさ…母なる海にな…」

紗良「……………っ!?」


突然、海底に引きずり込まれる紗良

大きなサメのような魚に胴体を噛まれ、ものすごい勢いで海の底に潜っていく

バチィッ!!!

歯の部分から電流が流れる


紗良(こんの!!…っ!?炎が出ない!?…あっ!空気が無いから…!!くっ…!!)


紗良がもがいていると魚が発光し、爆発した

ッドォン……!

紗良「っが…!」(いったぁ…!生身でくらうなんて……!…!!)


紗良が見上げると、そこには先程の魚と同タイプの物がうようよと泳いでいた


紗良(まずい…!これじゃ息がっ…!!)


考える間もなく、また二匹の魚が襲ってくる


ドン!ドォン!!



瑠玖と巫言は二人で買い物をしに街へ出ていた。

ドン………!…コォォォォォォ………ズン…!……ドン!ドン!!…………


瑠玖「……なんの音だろ………」

巫言「お待たせしましたわ。さ、行きましょ」

買い物袋を持って服屋から出てきた巫言

瑠玖「えっ…!?あ、うん…!」

巫言「……?…雷…でしょうか…?」

瑠玖「う~ん…なんだろう…」


全く別の場所から監視している謎の人物

「よし…今だ…!」

スイッチを押す

巫言「…うっ!?」

瑠玖「っ!?」


突然、二人は頭を抱えて膝をつく

脳内からグチュグチュと不快な音が聞こえる。

脳内で寄生虫が動き始めたのだ。

急に苦しみ悶える二人を近くの人は不思議そうに見て通り過ぎる


瑠玖「っく……!!……うっ……!……っはぁ!…はぁ……はぁ……」


瑠玖は重力を操る能力で、脳内の寄生虫だけをなんとか押し潰した。


巫言「ああっ!!…がっ…!ぐああああああああ!!!!!!」

瑠玖「巫言ちゃん!!だいじょ…」


チリチリ……

紫色の粉塵が飛び散る


瑠玖「っ!!みんな逃げて!!!」


カッ!!ッバァアン!!!!


大きな爆発に巻き込まれ、血を流して負傷する瑠玖。


瑠玖(…よかった……なんとか…他の人は護れたかな……?…っつ…!…建物が……)


建物が崩壊し、落ちそうになるがその破片は無重力下にあるかのように宙に浮いている。


爆破の衝撃は完全に防ぐことは出来なかったため、周りの人々も倒れ、ダメージを受けている。


巫言「ぁぁぁぁ………」

瑠玖「巫言…ちゃん…?」

巫言「変……身……!!!」


ズォオオ!!

禍々しい紫色の鎧を身に纏う巫言

そして、ハンマーを瑠玖に向け…


巫言「コ…ロ…ス…!!」

瑠玖「っ!?」


襲い掛かって来た…!

ドォオン!!



貴峰「わっ!揺れましたけど大丈夫ですか…?」

「大丈夫ですよ~次はレントゲン取りますのであちらにどうぞ~」


健康診断で病院に来ていた貴峰


ぐぎゅぅぅううう!


貴峰(うぅ…バリウムも気持ち悪いし何も食べてないからお腹減ったなぁ……昨日のご飯、おいしそうだったなぁ……)


「はい、じゃあゆっくり息を吸ってくださいね~」

貴峰「すぅ~~」

「…やれ…」

カッ!!

貴峰「…………………??」


指示が無いことに疑念を抱く。

が、次の瞬間強烈な不快感に襲われる


貴峰「!!!!」


バァン!!

扉を壊し、外に出る


貴峰「っくはぁ!おええええええ!!!」


あまりの気持ち悪さに嘔吐する

視界は歪み、ふらふらする。

貴峰は致死量を超える放射線に汚染されたのだ。


「きゃあああ!!」

籠ったような音で悲鳴が聞こえる。

パァン!!バババババ!!!

貴峰「くっ!」

窓から飛び出し、病院から逃げる。


銃を持った男「…まだ動けるのか…本来ならばDNAが破壊されすぐに絶命するはずだが……なるほど、世界中に狙われるわけだ……」

固定され、その場に落ちた弾丸を拾い、納得する男

「おい、すぐに追うぞ!」

「はっ!」



恩実「……スー………スー………」

プシュー…………

「うっ!」「うぅ!?」 バタッ!

恩実「ん~?……むにゃむにゃ………」


無味無臭の気体が放出される

がしかし、恩実は何も気づかず昼寝をしていた。

世界連合からの連絡か、一が戻ってくるまで待って居ようと思っていたが、あまりにも暇だったので眠ってしまった。




恩実「ん?」

ガッ!!!!

殺気に気づいて飛び起きる恩実。

目の前には鋭い爪を持ったモンスターがいた。

恩実「なに?いきなり…っ!?…っが…!」


膝から崩れ落ち、吐血する

まるで力が入らない。目が覚めたら瀕死状態になっていた。

毒ガスに侵されていたことにも気づけず、困惑しているが化け物は止まらない。

鋭い爪で再び攻撃されてしまう…



ユニコーン「くっ!……!!」

一「…ユニコーン……」


目が合う二人

近づく一。

構えようと、一瞬力むがすぐに膝をついてしまう青年。


一「立てるか…?」


一はユニコーンに手を差し伸べる

少し困惑しながらも手を取り、立ち上がる。


一「うっ!………よく生きてたな…」

ユニコーン「……それはこっちのセリフです……」

一「……………」

ユニコーン「……………」


一は上へ視線をやる


一「…上がれるか?」

ユニコーン「……なんとかしますよ…」

一「はっ…強がるなよ……ほら」


一がユニコーンの背中に手を回し、肩を持つ

ユニコーンは痛みで抵抗もできない。


フワァ…!と風が舞い上がり、二人の身体を浮かせる。


ユニコーン「!!…すごい…こんなことが……」

一「ぎりぎりだけどなぁ……上まで持ってくれるといいが……」


苦しそうな表情で答える


ユニコーン「………貴方は…どうして………」


ゆっくりと浮上する中、ユニコーンが口を開く


一「……おめーと大体同じだ……そうだろ…?」

ユニコーン「っ!……………はい………」


互いに怒りをぶつけ合い、発散し、もがいた…

二人の間に意味のある会話などほとんどなかったが、交えた拳が互いの心情を表していた…

これ以上の言葉はいらなかった


一「…あと……もう少し……!!」


ほとんど目の前だが、風の力が弱まってしまっている

フッ…!

風力が無くなり、一瞬落ちかけるが…


ユニコーン「はぁっ!!」

ピカッ!!

二人の身体は光に包まれ、少しの距離移動した。

「「はぁ…!はぁ…!」」

二人はもう限界だった。

やっと戻って来た地上で倒れ込んだ



キコキコキコ……キキッ…!

自転車で旅をしている少年。

ブー…ブー……

画面には「母」の文字が表示されている。


「………………もう出ない方がいいよな……」

「そうだな。もう母親が掛けているのかも分からん…」

「………大丈夫かなぁ………」

「…狙われているのはお前と私だ。せいぜい、人質として利用されるくらいだ。非能力者だと分かれば尚更、危害は加えないだろう…」

「……そうだよな………うっし!くよくよしててもしょうがねぇ!次のネカフェ目指すか!」

「…あぁ…そのことだが…もうネカフェは使えない」

「え…?」

「もう、お前の実名や顔写真も公開されてしまった。入店の際に名前を見られたらアウトだし、世界規模で指名手配になったお前の顔はもう他人に晒せない。」

「えー…じゃあどうすんだよ…」

「こんな時のために持ってきた物があるだろう?」

「げ…もうあれ使うのかよ……」

「ああ。もうそれしかない。今夜は野宿だ。覚悟しろよ…?」

「ふ~……やれやれだ……」



ヒーローから力を託され世界の浄化を宿命づけられた戦士たち…

その宿命を果たす時がついに来る…!


次回『美徳の蒼焔』


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