はすなうぐいす あとがき
本作品にお目通しを下さりありがとうございました。
「はすなうぐいす」は、これで一旦完結となります。
あとがき 目次
◎書き終えての感想
◎難しかったところ
◎小説の体裁について
◎登場人物について
◎続編の予定
◎書き終えての感想
途中で2年くらいのブランクをつくってしまって申し訳ありませんでした!
でも何とか再開し、完結させることができてよかったです。
執筆を継続でき、再起して完結までもっていこうと思えたのも、本作を読んで下さった皆様の存在あってのことでした。星やいいねを下さったこと、そして何より、レビュー・感想を頂けたことが大きかったです。
頑張って執筆しましたが、それでも稚拙な本作にリアクションを頂けたこと、
誇張でも何でもなく一生の思い出です。
本当に本当にありがとうございました!
◎難しかったところ
製作面で一番難しかったのは、やはり話毎に句または句の欠片を1回につき1つ入れるというルールでした。
私は伊勢物語のような、物語+歌という形式が好きです。
でも実際に取り組んでみると、話のテーマに合った句が中々できなかったり、句の方が話のテーマに合わなかったり、話題と句がマッチが大変で、それらがきちんとできている作品はすごいんだなあと改めて思わされました。
ストーリーも大切にしたいし、句や句片も宝物。
どちらも大事なので、それらを納得がいく形でマッチさせることが苦労でした。
あとは、春から徐々に一年間が過ぎていくストーリーとしたため、せっかく思いついた句も、季節がまだ来ていなくて登場が後になってしまったり、季節が過ぎてしまった句は入れづらい、季語の季節が自分のイメージと異なるといったこともあり、季節の流れに沿ってストーリーを作るって大変なんだなあというのも分かりました。
でも大変だった分、出来上がった目次の一覧を見ると季節の流れに沿っていて、嬉しくなります。
作品制作に取り組ませて頂き、よかったなあと思っております。
◎小説の体裁について
俳句や俳文が好きなので、ストーリー+句または句片という形式にしました。
このため1回につき1つ、句または句片を入れています。
本文は、なるべく簡素で淡々とした文章を目指し、登場人物は「ことと」と「ぼく」の二人だけ。こととは確定で女の子ですが、なるべく中学生でも高校生でも通るようにし、ぼくの性別もデフォルトでは男性を想定していますが、女性のボクっ子としてもいけなくはないようにしました。
ストーリーはオムニバス形式で、どの部分を読んでも分からないことがないように心がけ、好きな季節、好きなテーマをかいつまんでもらえたらなあという感じに。でも、最初から最後まで読むと、徐々に二人の仲が縮まっていく様子も描けたらなあというのが、設計思想でした。
補足部分は後書きの「ひとこと事項」に納めるいつもの形式にしました。
でも、「ひとこと」なはずなのに、ちょっと文量が多くなってしまう回もあり、そこが反省点にもなりました。もっと簡潔に説明できるようになりたいです。
◎登場人物について
ことと
この物語の主人公です。句や句の欠片を日々の暮らしの中から見つけては、一筆箋や端末にメモすることを趣味とする、質素な子です。この趣味以外は大人しめな普通の少女であり、唯一の特徴である趣味との出会い方も国語の授業という、特別感のない、なろうと思えば誰にでもなれるような、そんなモブっぽさのある子をイメージしています。
ぼく
こととのことを見守る進行役です。この子もこととと同様に、「この子にしかない特殊な力や事情」を持たず、ただ1度だけ「坂で荷運びに難儀していた少女を手伝う機会に出くわした」という奇跡以外は持ち合わせていない平凡な人物を想定しました。でも、「彼女が句をつくった瞬間」=「日常にささやかな感動があった部分」のうち、"ぼく"が選んだパートだけが物語になっていることから、二人のうちのどちらかが欠けてもこの作品は成り立たない、そんな関係になっています。
「授業で習った俳句趣味を持った"ことと"と、ひょんなことから彼女を助けただけの"ぼく"との、ささやかな句片探しの日常物語」。そんな感じの二人になっていたら嬉しいです。
◎続編の予定
「はすなうぐいす」の続編については、先の反省から、「はすなうぐいす」の増補版となるような、バラバラの季節に、気に入った句や句片や話題ができた際に単発的に掲載できる、マイペースな散発版をつくって置かせて頂けたら嬉しいなあと思っております。
末筆となりましたが、お目通しを頂きました皆様に、ご健康とご多幸を!
ありがとうございました!