向日葵
これは、夏の暑い道を歩いていたときの話。
こまめに水分を取ろうと、自動販売機から、熱中症に良さそうな一本を選ぶ。
キャップを開けて、ごくりとやれば、
一瞬だけ現れたオアシスが、蜃気楼のように喉から胃へと消えていく。
と、そこで後の首にスポーツドリンクをあてられて、びっくり飛び上がる。
こととめ…と振り返ればそこには、ひまわり畑があった。
熱気に滲む世界に、これだけは元気に太陽を向いているかと思えば…
「下向いてるね。」
ぽつりと彼女も、同じ感想を漏らす。
環境もあるのだろうけれど…その事実は、今日の暑さを物語るに十分だった。
ひまわりさえもしたをむく
「よし、急いで撤退だ―(O⌓O;)!」
真っ黒な影を落とす夏の日差しの中で、シャツをびしゃびしゃにしながら、ぼくらはすぐに日陰を目指した。
終
ひとこと事項
ひまわり(季語:晩夏)
太陽を向いて咲く夏の花。大輪を咲かせるこの花は、個人的には百日紅と並んで夏らしい花だなって思います。元気な黄色と、深い茶色、葉や幹の太く渋い緑は、どれも強い日差しを耐える強さを感じます。そんなひまわりさえも酷暑の中で下を向いていたのを見た時、アラートが鳴ったような気がしました。
まだまだ残暑厳しい時節ですが、皆様もどうぞお体ご自愛くださいませ。
ありがとうございました。




