表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はすなうぐいす  作者: 晴雨
夏【二】
28/62

腐草蛍となる

これは、夕方の公園にさしかかったときの話。

池の隣まで来ると、水草の辺りをこととが観察し始めた。


どうやら蛍を探しているらしい。

この辺りでは見たことはないけどな、と思いながらも、その辺りにいるのかと聞けば、彼女も本当はいないだろうと思っていると笑う。


ただ、昔、大陸では腐草が蛍となるという説があったということを知り、ちょっと見て見たくなったのだと教えてくれる。


「虹が龍の飛行機雲だったり、蛤が蜃気楼を作ったり、昔の人って面白いよね。」


少なくともそう思えた事件があったのかな、と彼女は言う。

蛍の場合は、腐った草の間から幼虫が出てきたりしていたんだろうか。


確かに草木や昆虫が好む土として腐葉土があるし、そういった土から昆虫の幼虫たちが出てくるのだから、正確ではないものの、惜しい感じがする。


腐草蛍となるのかな


そのままな言葉を書き付けて、彼女はくすりと笑う。

今は当然と疑わないことも、未来の人が見れば、少し違うと笑うのだろうか。


結局蛍は見つからなかった。

けれども、今度本物を観に行こう、と約束をした。




ひとこと事項


・腐草蛍となる(季語:夏(晩夏))

7月6日は小暑となって、暦の上ではついに晩夏に入りました。個人的には夏の本番がこの時期であるという気がするのは、やはり梅雨明け、七夕、夏休みといった夏らしい存在が大きいからでしょうか。このため、まだ晩夏と呼ぶのは、なんだか寂しい…そんな気がします。


終わりの始まりは、いつの間にかそっとやってきているのですね…


お目通しありがとうございました。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ