小さな水族館
これは、水族館に行ったときの話。
こととが行きたいとせがむので、少し遠出してやってきた。
敷地としては小さな水族館だったものの、その分ゆっくり時間を過ごすことができて、心地よい午後を過ごすことができた。
大きなサメに驚いたり、ゆらゆら揺れるクラゲに癒されたり、近海の生態の展示を見たり。
彼女はコラム等をよく読んで、勉強するのが好きそうだった。
デート用、ファミリー用、勉強用と、水族館にもいくらか方向性があるんだな、と思ったり、死滅回遊魚という存在を知って悲しくなったりした。
「あっ!!あざらし(*''▽'')!!」
彼女が黄色い声をあげると、指先に、円らな瞳のアザラシが、こっちを見ていた。
近づけば、丸い体で背泳ぎをしたり、窓に顔をくっつけたりと大サービス。
好奇心旺盛で人懐っこい雰囲気に、こととはすぐにファンになった。
アクアリウムのおともだち
大満足したこととは、また来るんだ!あざらしを買うんだ!と、
目を輝かせ、お土産コーナーに熱い視線を送っていた。
終
ひとこと事項
今年は油壺マリンパークがなくなってしまうので、悲しいです。
以前、そこで知ったのですが、死滅回遊魚とは、南の海から潮の流れに乗ってやってきたものの、水温の低下と共に死んでしまう魚たちのことだそうです。それを知ったとき、勉強になるのと共に、切ない気分になったのを覚えています。
あざらし(季語:春)
あざらしは季語だと知ってびっくりしましたが、水族館のあざらしというより、野生のあざらしのことなのでしょうね。北海道のあざらしは、流氷とと共にやってきて、流氷と共に帰っていくそうです。春の季語だそうなので、今回は使用は断念…また次の春に!
全国の水族館や動物園が、少しでも長続きして下さると嬉しいです。