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はすなうぐいす  作者: 晴雨
夏【一】
14/62

水の張る頃

これは、田んぼの隣を歩いた日の話。


ゴールデンウィークの祝日のムードに和みながら、暖かな日差しの中を散歩した。

左右を田に挟まれた農業道路を、トラクターが落とした泥を避けながら歩く。


「私、この景色がすっごく好きなんだ♪」


近所に農家の方に水が張ったことを教えてもらい、邪魔にならないよう、やってきたらしい。


田には、すっかり水が入り切り、鑑のように空を映す。

それが見渡す限り広がるのだから、辺りに湖が現れたような心地がした。


水の畔にいるからか、少し肌寒い。

こととは少し身を震わせながらも、楽しそうに道を行く。

それから用水路を越える小さな橋の上で立ち止まる。

まるでその場所は、水上の壇のようだった。


「夜に風がないと、星が水面に深く沈むようにみえるんだよ。」


空色を遍くしずむ代田かな


湖の中心が、まるで宇宙の中心のようになるという。

せっかくだから、夜にも来たいと答えれば、応じるように彼女は微笑んだ。




ひとこと事項


・代田(季語:夏)

私の家が農家さんの近くにあったからか、土色の田から、代掻きが終わり水が張り、田植えがなされ、苗がすくすくと育って金色の穂となって、また土だけに戻るサイクルは、とても馴染み深いものでした。どの風景も好きなのですが、水が張り終わり、苗を植えるまでの一瞬の時は、貴重な風景だといつも思っていました。


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