表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はすなうぐいす  作者: 晴雨
春【一】
10/62

茶屋にて


これは、茶屋で一服したときの話。


ちょっとお小遣いを奮発して、川辺で抹茶を頂いた。

お供に主菓子おもがし干菓子ひがしが選べるようで、二種類の主菓子を見たいとせがむ彼女の願いで、抹茶に前者をつけてもらった。


待つ間、庭先から新緑に揺れる森を眺める。

僅かに聞こえるせせらぎに、鳥の声、川辺で遊ぶ子供達の声。

緑に隠れる淡い藤棚も、遠く風に揺れている。


畳で休んでいると、水面と藤をあしらった主菓子と共に、抹茶が運ばれてきた。

実は冷たい抹茶がこと、温かい抹茶がぼくで、お盆が逆に置かれて面白い。


彼女は菓子の意匠の可愛らしさに、わあ、と小さく歓喜する。

抹茶を頂けば、ほのかな草の苦みが、菓子の餡に丁度良い。


森の気を その身に宿す


そう書き付ける彼女の隣で、ゆっくり緑を頂けば、青々とした森の気が、体に染み渡っていくような心地がした。



ひとこと事項


・お茶屋さんの抹茶

一服したいと思ったときに、抹茶を出して下さっていたお茶屋さんに気が付いて、新緑の中で頂いたことがありました。森そのものが体に染み渡るようで、主菓子の意匠を惜しみつつ、至福の時間を過ごしたことを覚えています。八十八夜もそろそろですね。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ