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法皇の業 父の業

「法皇が・・・ルイナのお父さんがブントの構成員!?」

「父だけじゃないよ。人族の大陸を収める四人の長は全員ブントの構成員。人族がブントに侵食される筈だよこれじゃ」


ただただ衝撃を受けるだけの星峰と怒りと呆れが混じった声で吐き捨てるように告げるルイナ。その口から出る言葉に最早身内への情はない。そんなルイナに星峰は


「それじゃ、私を城に招き入れたのは・・・」


唖然とする星峰がふと浮かんだ疑問を口に出す。


「星峰のご両親が集めたブントの資料を外部に出させないためだよ。鍵を手元に置いておけばそれが外に出ることはない。ついでに魔神族への怒り、憎しみも植え付けて忠実な兵士にするという目的もある。星峰の戦闘能力は確かだからね」


その疑問に対する正解は最も考えたくない残酷な物であった。だがルイナは険しい顔であえてそれを口にする。そうしなければ星峰が現実を見られないと思ったからだ。

自分が戦ってきた理由が一瞬にして砕け散る、その衝撃はルイナも想像出来た。だがそれを聞いた星峰は一瞬衝撃を受ける物の


「そう・・・」


と一言だけ呟くと直ぐに何時もの顔に戻る。それはルイナにとって予想外だった。もっとショックを受けると思っていたのだ。


「・・・思ったより衝撃を受けないんだね」


ルイナはそう口に出さずにはいられなかった。空元気かもしれないからだ。


「・・・父の資料を見て、天之御の話を聞いた時から心は決めているわ。私はもう復讐心や憎しみでは戦わない。本当の平穏を得る為に戦うって」


星峰が既に出していた答えが揺らぐことはなかった、いや、そればかりかルイナの発言は星峰の決意をより強めていた。


「・・・でも、だとすると法皇を処刑する命令を下したのは・・・」

「・・・察しの通り天之御じゃない、僕だよ」


今度は星峰がルイナに確かめる様な質問をする。それに対し答えるルイナ。それは予想していたと言わんばかりの速さであった。


「ブエルスを攻め落としたことを分からせる為、そして何より・・・母上の為にね」


ルイナは静かにそう続ける。


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