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内通者の正体

「どうしたの、こんな時間に?」


素朴な疑問を投げかける星峰に少年は


「ちょっとお姉さんとお話ししたくて。ほら、お姉さん他の皆さんと違って魔王様の事様付けで読んでなかったでしょ?それが一寸気になって。一体どういう関係なのかなって」


と言う。それを聞かれた星峰は困惑・・・するような顔ではなく、寧ろ何かを納得したかのような顔で少年を部屋に招き入れる。そして少年が部屋の中心に行くと扉を閉め、直後に


「・・・貴方、一体何者なの?」


と問いかける。すると少年の顔が少し陰のあるものに変わり、その口から


「・・・薄々感づいているんじゃないんですか?」


と怪しげな笑みを浮かべる。その笑みは星峰が少年に抱いている疑念を更に深める。


「薄々は・・・ねえ、でも確証がないのよね」


少年と同様に薄ら笑いを浮かべ、何処かはぐらかした物言いをする星峰に少年は静かに近づいていく。そしてその口は耳元へと接近し


「もう、相変わらず慎重だね。ならその確証を与えてあげるよ・・・スター兄」


そう呟く。その直後、星峰は驚愕の表情を浮かべる。だがその表情は直ぐに落ち着き、寧ろ何かに納得した顔へと変化する。そして


「成程・・・人族側の協力者は貴方だったって訳ね、ルイナ」


と少年に告げると少年は


「そうだよ。でも、スター兄達には悪い事をしたとは思ってる。そしてコンスタリオ小隊の皆にも、城の兵士達の一部にも」


と告げ、自分がルイナである事、魔神族に協力している事を認める。スター兄、その名前で読んでいたのはルイナだけだった。それ故に星峰は少年がルイナだと気付くことが出来た。


「それで、何の話をしに来たの?まさかただ単に気になったという訳ではないのでしょう」

「相変わらず肝心な部分だけ聞きたがるんだね。まあ、それがスター兄らしいんだけど」


姿が変わってもその内面は変わらない、その事を確認し合い、何処か安心感を持つ二人だった。二人はそのまま椅子に座り、話を始める。嘗てはよく見た光景、でも今は姿が違う。身長差があったのに無くなり、種族も変化している。にも関わらずその光景は人族だった頃と何も変わらなかったからだ。


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