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不幸を告げる少年

その頃、人族部隊の別動隊を追撃する為に近くの森林に向かっていた空弧と八咫の目には既に破壊された兵器が飛び込んできていた。


「こ、これは!?既に兵器が破壊されて、部隊の構成員も負傷している・・・」

「一体誰が・・・」


二人が唖然としているとその背後から


「僕だよ。僕がやったの」


突如として声が聞こえてくる。その声に困惑した双方が振り返るとそこには猫の様な耳と尻尾、爪を持つ少年が立っていた。だがその少年の見た目は魔神族として考えると前述の三か所以外は人族に近く、かといって人族でもない、何処か特異な外見をしていた。


「君は・・・」


空弧が何かを言いかけるがその少年はそれを遮り


「申し訳ないけどお話は後だよ。今はここに居る人族兵士の拘束が先でしょう」


と告げ、空弧と八咫に兵士を拘束する事を勧める。


「あ、ああ・・・」


八咫はそういうと人族兵士の身柄拘束を行い、それが終わった後その少年に


「さあ、拘束は終わったから話を・・・」

「それは魔王様の前でする方が早いよ」


話をしようとするが少年はその前に天之御と会う事を希望している様だ。だが今あったばかりの少年を果たして会わせていいのだろうか?当然二人は考え込む。そこに天之御から通信が入り


「その子も一緒に連れてきて。大丈夫、保証は僕がするから」


と二人に告げる。


「天之御がそう申すのであれば・・・」


何か釈然としない感じの空弧だが取り敢えずその少年も連れて移動術を使いブエルスへと帰還する。すると既に星峰と岬は帰還していた。そのまま天之御の目の前に行き、その少年と会わせる。


「情報提供が間に合ってよかったよ」

「ああ、今回も有難う」


魔王である天之御にこう話しかける少年、やはりただ物ではないのだろうか?その場に居た全員がそう疑問に思い出し始めると


「彼が今回の人族侵攻について情報を提供してくれたんだ」


と天之御が告げ、他の面々は


「ええっ!?じゃ、彼が・・・」


と驚嘆の表情を見せる。


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