新たなる力
新兵器という言葉にいきり立つ兵士達。これが魔神族への反抗の手立てとなると考えているのだろう。だがそんな中でコンスタリオは
「新兵器・・・いえ、そもそも兵器なんて開発されていたの・・・?」
とどこか腑に落ちない顔を浮かべる。だが興奮に浮かれている周囲がそれに気づくことはなく、その空気故にコンスタリオも口にすることなく沈黙する。否、余儀なくされる。
「では、その新兵器をお披露目しよう」
兵士長がそう言い、右手をかざす。すると城門前に無人で動く砲台や草刈り機の様な刃を持つ小型の機械が次々と現れる。その機械達は縦横無尽に動き回り、両手に装備された武器を乱用する。
「人の様な柔軟性はないが、これでこちらの戦力は大きく増強される。更に起動は全自動で行われる。指揮系統に適切に合わせることが出来れば大きな力となってくれるだろう」
兵士長の言葉はその場に居た兵士の士気を更に上げ、兵士達は意気揚々と出撃する。
だがその進路上、目的地との中間にあたる褐色荒野において兵士達を乗せた移動車はその動きを止める。その事に気付いたモイスが
「どうしたんだ!?一体何が・・・」
と言って備え付けのモニターで外を確認する。すると前方には魔神族の部隊が展開していた。
「魔神族の部隊!!侵攻を聞きつけて迎撃に来たのね」
そう叫ぶシレットは外に飛び出し
「お、おい!!」
と声を上げながらモイスも後を追う。既に交戦は不可避と判断したのか、他の兵士達も交戦体制に入っていた。コンスタリオも止むを得ず外に出て魔神族の部隊を肉眼で確認する。先に外に出ていたモイスとシレットが驚愕の表情を浮かべていたのに気付き、二人に駆け寄るコンスタリオ。
「二人ともどうしたの!?」
「あ、あれ・・・」
そう言いながらシレットが何かを指差す。その先には見覚えのある存在があった。
「あ、あれは!?」
それを見たコンスタリオも驚きを隠せない。




