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星が城に来た日

その日の夜、眠りについたスターは夢を見ていた。


そこにいるのは幼き日のスター


「はあっ・・・はあっ・・・」


息を切らしながら走り続けるその姿は明らかに何かから逃げている様だった。その手には今も使っている剣が握りしめられている。そこに何者かが現れ、


「こっちだ!!」


と言いながらスターの手を引いていく。そしてとある場所に辿り着き、スター自身の無事を確認し、その何者かの顔を見ようとして意識を失う所で夢は終わり、現実のスターが目覚める。その顔は悪くはないが良くもない、


「またあの夢か・・・あの時、俺を引っ張っていたのは一体・・・この日が近づくと特にあの夢を見るな・・・」


そう呟いた後に起床し、洗顔し服を着替えるスター。何時もと変わらない光景だった。同じ頃、ルイアも又過去を振り返っていた。


「今日はスター兄がこの城に来たと父が言っていた日。八年前、僕がこの世界に生を受けた日から既にスター兄はこの城に居た。家族を亡くし、父同士が友人だった縁で引き取られたと父は言っている。けど・・・」


その顔は何かを知っている、いや隠していると想像するのには十分すぎる物だった。そこに兵士長が入ってくる。その顔は神妙であった。


「何があったの?」


確信を持った声でルイアが問いかけると兵士長は


「昨日深夜、北東の魔神族拠点、ヨトュンに本土の正規軍が攻撃を仕掛けましたが敵戦力が想定以上だった為、返り討ちにされたとの事です。その為、第二次攻撃を行うにあたってこちらからも戦力を派遣してほしいと」


と要件を読み上げる。


「戦力の派遣・・・焦りすぎでしょう。昨日の今日であれば魔神族も警戒しているはず。判断を下すのは父ですが、僕個人としては現状での派遣には反対します」


八歳とは思えない落ち着いた雰囲気で淡々と告げるルイア。それを聞いた兵士長は


「分かりました。法皇にもそのようにお伝えします」


と告げて部屋から去っていく。


その頃、スター達は朝食を終えて城下町に出ていた。

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