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自分自身への困惑

スターの記憶には以前あの円柱を見た、否直接見たわけではないが、あれが何なのかを示すデータを見た記憶があったからだ。


「あれは確か・・・名称はボツリシン!!対生命用の散布兵器だ・・・あんな物をどこに・・・」


その危険性を知るが故に人族を凝視するスター、何かを話しているようだがここからでは当然聞き取る事は出来ない。そんな時脳裏に


「狐妖術・・・紫苑の風・・・」


この言葉が浮かび、スターは口に出してしまう。


「・・・俺は今、何を・・・」


何故口に出してしまったのか分からず、混乱しかかるがその直後に聞こえてきた


「これを散布すればあの村の戦力を無力化し制圧出来る」

「ま、奴等はもう同志じゃない。俺達の利に反する連中だからな」


と言う声がその混乱を打ち消す。否この場合は更なる混乱を引き起こすというべきだろうか


「な、何だ今の声・・・あの兵士達が話しているのか、それに奴等って・・・あの村の人族の事か?だとするとあの村の人族は・・・」


裏切って村ごと魔神族についた、そう考える事で納得しようと言い聞かせるスター、だがその脳裏には先程の少女と母親の笑顔が浮かぶ。


「・・・くっ!!」


内心で何かを決意したスターは拳を握りしめ、人族部隊の前に飛び出していく。


「魔神族に発見されただと!?ちっ、だが対策は・・・」


人族部隊がそう話している間にスターは部隊の懐に飛び込み、その拳や足、尻尾を用いた格闘術で人族の兵士をいなしていく。近付いていない兵士が


「ここまで来て引き下がれるか!!」


そう言って銃を構えるとスターは


「狐妖術・・・白き炎獄」


と言って白い炎で人族の兵士を纏めて攻撃しその武装を破壊する。スターの介入後、僅か数分と経たぬ内に人族の部隊は崩壊する事となった。


「・・・俺は・・・俺は一体、何をしたんだ・・・」


状況や行動の理解が出来ず、又しても混乱するスター、そこに


「こんな所に居たとは・・・御協力ありがとうございます」


そう言いながら魔神族の兵士らしき生命がスターに話しかけてくる。


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