渦巻く不安の中で
「都市の内部に魔神族が侵入していたなんて・・・」
ルイナが告げたその事実に動揺を隠せないコンスタリオ小隊。スターが居ればその心配は杞憂となったのかもしれないが、スターが居ない事もその真実味を物語っており、その顔には不安が募る。
「大丈夫かな、スター・・・たった一人で魔神族と戦ってるって言ってたけど・・」
「ああ、あいつ・・・冷静な様で結構無茶するからな・・・」
モイスのその発言は相手を良く知るが故の心配だった。
「ええ、でも今の私達にはスターの元に行く選択肢は・・・もしそれをしたいのであれば・・・」
モイスとシレットに言い聞かせるように告げるコンスタリオ、だがそれは彼女自身もその感情を持っているが故に出てきた言葉に他ならなかった。
「ええ、分かっています。分かっていますけど・・・」
「なら同じ事を何度も言わせないで」
シレットの言葉を遮り、きつい言動をぶつけるコンスタリオ、だがその真意をくみ取ったのか、シレットは反発することなく言葉をしまい込む。
不安とスターの心配が拭い切れない中で人族の部隊は魔神族の部隊との交戦地域に辿り着く。辿り着いた彼らの目に飛び込んできたのは夥しい数の魔神族だった。
「な、何なのあれ・・・今までにない数よ・・・」
困惑を隠し切れないシレット、スターの心配からか何時より心が揺らいでいるのが見て取れる状態であった。
「大型魔神族もいるわね・・・でも、ここで引き下がる訳にはいかない!!」
コンスタリオがそういうと同時に兵士長が
「撃ち方初め!!」
と言い、一行が乗ってきた移動車と後方の砲撃部隊が一斉に砲撃を開始し、魔神族を先制する。




