ブエルスの危機
通信が繋がるとスターは魔神族の幹部空弧が街に潜入している事、それが目の前にいることを伝える。だがそれを伝えた直後、ルイナからは
「スター兄、実は魔神族の侵攻はそれだけじゃないんだ。さっき情報が入って南から魔神族の大部隊が接近してるって!!」
という驚くべき返答が返ってくる。
「何だと・・・」
スターが絶句しているとルイナは
「既に迎撃部隊は出撃準備に入ってる。でも・・・」
ルイナはそう言いかけて言葉に詰まる。
「・・・分かった、幹部は俺が抑える。だから何としても侵攻を食い止める様に指示を出してくれ!!」
それを聞いたルイナは
「分かったよ、でもくれぐれも・・・死なないで」
と通信機越しにではあるが心配を告げる。その発言は胸のつかえが取れたようにも真意を悟ってくれた故の安心感にも見える。
そしてスターは左手を降ろし、通信機の電源を落とす。
「あら、もうお話は終わったの?折角時間を上げたのに」
空弧が挑発的な発言を投げかける。それに対しスターは
「ああ、ここで死ぬつもりはないからな、遺言にはしたくない!!」
と威圧感を振り切るような強い発言で啖呵を切る。だがその内心では
「確かに妙だ・・・こいつ、何故俺が通信機で通信をする事をあえて見逃していた?それ程の余裕があるという事なのか、それとも・・・」
と考えており、それを見ていた空弧も
「やはり・・・何か考えているわね、噂通りなのね」
とスターを品定めするかのような思考を巡らせる。
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