蠢く計画
兵士長がルイナを見つめていたのと同時刻、魔王天之御とその配下も又会話を行っていた。
「そうか、あの施設が・・・」
天之御がそう口火を切ると
「ええ、内部であの兵器を使ったという事も分かっています。となると・・・」
「ええ、急いだほうがいいかもしれないわね、気付かれる前に」
八咫と空弧もそれぞれ自分の情報、意見を告げる。
「急ぐといっても目星はつけてあるの?」
空弧に問いかける岬、すると空弧は
「勿論よ、いい少年を見つけたの。今回の戦場でも、いえ、これまでの戦場でも大活躍みたいだし」
とどこか楽しそうな、嬉しそうな表情と声で返答する。
「それは結構だけど、くれぐれも足元を救われないようにね。調子に乗るのは君の昔からの悪癖だから」
そう告げる天之御の声は部下に対する諭しともとれるがもっと別の意味がこもっている、そう感じさせるトーンだ。それを聞いた空弧は表情を引き締まったものに変え、ただ無言で頷く。
「ところで、スリーリバーマウンテンの方は守りきれたのよね」
唐突に話を変える岬に天之御は
「ああ、おかげでこちらの勢力図はこれまで通りを維持出来る。最も、維持してばかりでも駄目なんだけどね・・・」
と少し考えた態度、言動で対応する。
「協力者にも連絡を入れて、近い内に実行する事を伝えておいた方が宜しいのでは?」
八咫がそう進言すると天之御は
「勿論そのつもりだよ。この会議が終わり次第、直ぐに連絡を入れる」
と返答する。その後も会議は続き、何かを仕掛けることについての意見を纏めた後彼らは解散する。その直後天之御は
「僕だよ、近々実行する。もう少しだけ待ってて」
と通信機を取り出し、誰かに連絡を入れる。
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