震える理由(わけ)
内部の液体からは気泡が漏れ、中には動きを見せる者もいた。それを見たスターは傍に合った機械を操作し、機械の主電源を落とす。
「スター・・・」
「出来れば今すぐに破壊したいが任務上データ収集と証拠保全の必要がある、今はこれが限界だ」
何か言いたげなシレットに対し言葉を遮って返答するスター、だがその返答からは怒りを内面に抱えている事は容易に想像出来た。それを察したのか、モイスもシレットも何も言わない。
「・・・次に行きましょう」
とだけ告げるコンスタリオ、彼女もこの一言を出すのが精一杯であった。その後、突入した別部隊の活躍もあり施設内は次々と陥落、最後は総司令部を残すのみとなった。
「これだけの戦力で突入して死傷者はおろか負傷者もゼロ・・・これは喜ばしい事なのか?」
総司令部を前に全員が集結する人族部隊。だがその様子から逆に不安を覚えるスター。彼がそう考るのには勿論理由があった。
「さあ、後はここだけよ!!」
コンスタリオがそういうとその場に居た全員が雄叫びを上げ、指令室に突入する。
「な、何!?もうここまで・・・」
「あんな素人集団で私達を止められると?」
中に居たのはボーデン・タウンの指令と同族と思われる魔神族であった。突入した人族の一人が啖呵を切ると
「かくなる上は・・・」
魔神族の指令はそう言って手元のスイッチを入れる。すると床が開きその下から大型の機械兵器が出てくる。
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