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その水は宝石

大きな作戦に向かうからだろうか、移動車の車内ではピリピリした空気が漂い、誰もが険しい表情を浮かべる。事情を知らない人が見たら仏像が並んでいると思ってしまいそうだ。


「スリーリバーマウンテン、一体どんなところなんでしょう?」


重い空気に耐えかねたのか、シレットが口を開く。だがその内容に呆れた様な顔を浮かべ


「あのね・・・もう少し地理を勉強しなさいよ」


とコンスタリオが苦言を述べる。


「仕方ないじゃないですか~生まれてからずっとブエルスで育ってきて軍隊に入るまでは外に出る事なんてなかったんですから~」


少々不満げに膨れ面をして反発するシレット、一見するととても幼稚に見える。


「四年前に陥落したブエルスと東の首都ノースピースの中間に位置する山脈よ。規模は大きくはないけど山から流れてくる川の水は産業面、生活面の両方で大きな助けになっているわ」

「ああ、そういえば聞いた事があるぜ、汲み立ての水は大富豪でも中々飲めないってな」


コンスタリオが説明している最中にモイスが突然口を挟み、話に聞き入っていたシレットはモイスに怪訝な眼差しを向ける。


「なんだよ、そんな顔すんなって、本当の事なんだから」

「そういう事じゃなくて」


眼差しを向けられた理由が変わっているのかいないのか分からない様子のモイス、そんな様子に益々シレットが反発しかけるがその最中に


「本当の話だ。スリーリバーマウンテンの水は直ぐに鮮度が落ちてしまう。それでも飲めなくはないが、汲み立ての水は現地に居住しなければ飲めない、法皇ですらそう言っている位だ」


とスターが割って入り、強引に口喧嘩を集結させる。それを見たコンスタリオは咳ばらいをし


「兎に角、お水が飲みたいのであればその為にも今回の作戦の失敗は許されないわよ」


とこれに乗じてモイスとシレットに発破をかけ、双方も


「はい!!」


と了承する。そんな事を話している内に移動車は作戦開始地点に到着していた。


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