あの頃には・・・今は・・・
その後、公園に居た人達と他愛ない会話を続けたスターはそのまま公園を後にして城の自室に戻る。
「あれだけ会話をしたのは何時位になるだろうか・・・あの人たちの為にも更なる解放を目指さなければならないな」
そう呟くと何時もの様にシャワーを浴びてから床に就く。同時刻、ルイナは夜も遅いというのに城の中庭に出ていた。そこに兵士長がやって来て
「ルイナ皇子、又ここにいらしたのですね」
「兵士長・・・うん、又と言っても眺めるのは久し振りだけどね。ずっと忙しなく動いていたから」
少し寂しそうな顔をするルイナとそうしたやり取りを交わす。
「・・・王妃様の事をお考えなのですか?」
兵士長の唐突な質問に対し
「・・・うん、あの頃は・・・ここに父上が居て、母上が居て、スター兄が居て・・・でも、それでも外は戦争をしていたんだよね。だから僕達は終わらせなきゃいけない。戦争を!!」
ルイナはそういうと視線を空から前に向け、幼いながらに決意を固めた表情を浮かべる。そのままルイナが立ち去った後日は昇り、また新たな一日が始まろうとしていた。
中庭にも差し込む光で目が覚めたスター、何時もの様に食堂で朝食を摂るがまたしてもそこにルイナ皇子が登場し、そして
「皆さん、先日解放作戦を成功させたばかりで申し訳ないのですが、また新たな情報を入手した為、作戦行動に移ります」
と告げる。
「作戦行動?何か動きがあったのですか?」
質問するコンスタリオにルイナは
「ええ、先日解放したボーデン・タウンを調査していた現地軍からあの戦いで用いられた巨大兵士がスリーリバーマウンテン近くにある魔神族の研究施設で生み出されていることが判明したのです!!」
と答え、それを聞いた全員の顔が険しくなる。
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