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城下町での一幕

昨日の開放の興奮がまだ冷めないのか、城下町はここ数か月で一番の活気に満ち溢れていた。その様子を一人見て回るスター。


「戦いが終わった訳ではないというのにこれか・・・まあ、これも又いいのかもしれないが」


呆れとも肯定とも取れる一言を呟きながら城下町の西側にやってくる。そこは公園や住宅が立ち並び、他のタウンから出稼ぎに来た住民が多く住居を構えているエリアだった。公園に立ち寄ったスターは入った瞬間に公園内に居た住民に囲まれる。


「スターさんですね、今日はどうしてここに?」

「休日なので何となく来ただけです」


その中に居た一人の女性に質問され、それに対し返答するスター、するとすぐ傍にいた女の子が


「ねえ、お兄ちゃんたちは私達の街も取り返してくれるんだよね?」


と無邪気、しかし笑っていない顔で問いかけてくる。


「私達の街とは?」


問いかけるスターに対し、先程の女性が少し顔を暗くして


「私達はスリーレイクマウンテンの麓町が故郷なのです・・・」


と語る。どうやらこの二人は親子の様だ。


「成程、確かそこも・・・!!」


その時、公園内の草木の中から何かを感じたのか、スターは走っていく。だが草木の中を見渡しても何もない。


「いきなりどうしたんですか?」


先程の女性が後から追いかけ、驚いた顔で聞いてくる。


「いえ・・・何かがここに居たような気がしたのです。見た限りは何もありませんが・・・私の気のせいだったようです・・・」


口ではそう言いつつも内心ではどこか気がかりな様子を見せるスター、しかしどこを見ても草木しかなく、結局その場を後にする。



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