忘れられぬ過去
濃い闇に世界が覆われる夜、自室で眠りについていたスター。その口元が微かに動く。
「うん・・・お父さん・・・」
その夢の中には幼き日のスターと直ぐ傍にいるスターの父、母の姿があった。
「お父さん・・・何時になったら戦争は終わるの?」
幼い口調で無邪気に父に質問するスター、その質問に対して父は
「そうだね・・・今直ぐって訳にはいかないけど、何時か終わらせるよ」
と少し困った顔で返答する。そんな父にスターは
「何時かって何時?魔神族が・・・」
と質問攻めにしようとするが
「こらスター、あんまりお父さんを困らせないの」
「はぁい・・・」
母に止められ、しゅんとした表情で俯きながら引き下がる。そこから場面変わって城の中庭、先程よりも少し成長したスターが中庭で女性と遊ぶルイナを法皇と共に見つめる。
「スター君、君はルイナと然程年齢も離れていない。どうかルイナと近しい友となって欲しい」
「私がですか??しかし・・・皇子にそんな・・・」
法皇の唐突な申し出に困惑するスター、だが法皇は
「大丈夫だ。あのような事になってしまったとはいえ君も名門貴族のご子息、ルイナと肩を並べる事があっても見劣りすることはない!!何より私が保証しよう」
とスターに発破をかける。
「・・・ルイナ皇子がそれを望むのであれば、そのお役目、引き受けましょう」
そういうとスターは法皇に向けていた目を再びルイナに向ける。
その直後、朝の光が窓から差し込み、スターは目を覚ます。
「昔の事を夢見ていたか・・・やはり、昨日あんな話をしたせいか・・・」
と少し険しい顔をしながら起床するスター。その後、何時もの様に朝食を摂った後、今日は任務も訓練もない為一人で城下町に出る。
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