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束の間の談笑

自室に戻ったスターは何時もの様にシャワーを浴び、服を着替えて椅子に座り今日の事を回想する。


「・・・確かにモイスが驚くのも無理はないか・・・自分でも今思い返すと恥ずかしくなってくる」


先程の車内でのやり取りが尾を引いているのか、何処か自嘲気味に呟いていた。そこにドアをノックする音が聞こえてくる。


「誰だ?」


スターが問いかけるまでもなく、扉を開けてルイナが入ってくる。


「ルイナ・・・どうしたんだ?作戦は終わったし、今日はもう公務もないはずだろう?」

「お仕事じゃなきゃ来ちゃいけないの?」


真剣な顔で問いかけるスターに対し、何処かはぐらかしたような返しをするルイナ。その笑みは戦時中とも、又責任ある皇子とも違う、年齢相応の少年であった。


「作戦成功を少しお祝いしたくて」


スターはそういうと手元から瓶入りの飲み物を二つだし、一つをスターに渡す。


「あ、ありがとう・・・」


そう語るスターの顔はどこか困惑に満ちていた。皇子であるルイナが兵士でしかない自分に飲み物を渡す・・・平時では考えられない事であった。更に敬語も使っていない、その事にも困惑を覚えていた。そんな状態でもスターは戸棚に合ったグラスを出し、それにルイナが渡した飲み物を注ぎ、ルイナもスターが出したグラスに同じように飲み物を注ぐ。


「ふふっ、スター兄とこうして二人で話すのって何年ぶりだろうね?」

「さあ・・・もうかなり前じゃないか?何しろお前は・・・」

「皇子だから・・・でしょ。分かってるよ。でも少しはこうして話したいんだ」


ルイナはそういうと過去の思い出話を語りだす。その会話にスターも自然と笑みが零れる。


それから一時間程経ち


「じゃ、そろそろ休まないと不味いよね。そろそろお暇するよ」

「そうか、それじゃあな」


そう告げるとルイナは部屋の外に出る。だがその直後、その顔が変化する。

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