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幸福への導き

「う・・・ここは・・・」


目覚めたシレットの目に入ってきたのは電灯の明かりと明らかに建物と分かる天井だった。とりあえず牢獄では無い事に安堵し辺りを見渡してみるするとそこは何処かの家の中の様で様々な小物が置いてあった。その時部屋の扉が開き、誰かが中に入ってくる。


「あっ、お姉ちゃんが気が付いたよ!!」


中に入ってきたのは小さな女の子だった、その子がそう叫ぶと背後から母親らしき女性も入ってくる。


「本当ですね、お目覚めになられたんですね」


母親はそういうとシレットの目の前にコップに入った水を差し出す。直ぐに返答をするべきだと思ったシレットだったが水を見て思わず口に運んでしまう。それだけ喉が渇いていたのだ。そして水を飲み終えると


「ありがとうございます。所でここは・・・それに私は一体・・・」


と、感謝の気持ちを述べるが同時に質問も混ざる。すると母親は


「ここはロンタウンです。そしてあなたはこのタウンの入り口に倒れていた所を娘が見つけたんです。主人にも協力してもらって私の家に運んできました」


と親切に説明してくれる。


「私が見つけたの~」


少女が可愛い声でシレットに迫りながら言う。その光景は何処か和やかだった。それにつられたのか


「ふふっ、ありがと」


とシレットの表情も笑みが零れる。


「本当に感謝しないといけませんね。ありがとうございます」


母親に対して改めてお礼を述べるシレット、すると母親は


「いいえ、ところで、どうして入り口で倒れていたんですか?見たところこのタウンの住民でもないようですし・・・」


と当然の様な質問をしてくる。それを聞き、一瞬返答に困るシレットだったが少し考えた後


「実は・・・」


と言って事情を説明する。すると説明を終えた瞬間に入ってきた男性が


「成程・・・そういう事情でしたらこのタウンの軍隊の通信設備を使わせて頂くのは如何でしょうか?私は駐在軍と繋がりがありますのでその点は心配ありません」


と告げる。どうやら女の子の父親の様だ。その話を聞いたシレットは


「ありがとうございます。では、申し訳ございませんがそうさせていただきます」


とその言葉に頼る事を決める。そして父親が首を縦に振ると


「この状況からみなさんみたいな人と出会えるなんて、此れもユダウェ様の導きなのでしょうか。普段は神様を信じる事は無いのですが、こうした時には信じたくなります」


と呟く。

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