脱獄の先に
その会話を聞いたシレットは
「今の会話・・・何?スターを捜索してるって事は・・・つまり、スターは魔神族の情報を調べてるって事?だとしたら、私は・・・」
絶望に染まりかけていた心に微かに希望を宿し、魔力を込めて足に繋がれている鎖に電流を走らせ、破壊する。そして牢獄の出入り口に走り、そこにも電流を流そうとするが牢獄の扉はびくともしない。
「・・・やっぱり、そう簡単には脱獄出来ないか」
と、一瞬あきらめが脳裏を過るが直後に
「でも、スターを捜索してるって事はスターは奪取遂に成功したって事・・・考えるのよ、私。破壊が不可能なら・・・」
と気持ちを切り替え、周囲を見渡す。だがその直後通路との出入り口から音が聞こえてきたため、急いで鎖を一見破壊されているとは思えない様に繋ぎ、その直ぐ傍に横になる。すると中に兵士が入って来てシレットの投獄されている牢屋の前に立ち、その扉の鍵を開ける。そしてシレットの近くに近づくと
「魔王様があなたとお話がしたいそうだ、一緒に来てもらおう」
と言ってシレットに立つ様に促す。だがその直後シレットは密かに力を込めていた拳で兵士の顎を殴り揚げて打ち上げ、そのまま地面に叩き付けて倒れこませる。
「魔王が何の用事か知らないけど、そんなのに付き合う気は更々ないわ」
シレットはそう吐き捨てる様に言うと直ぐ様その場から走り去り、通路へと出る。そのままとにかく勢い任せで走っていくと目の前にガラス張りの窓を見つけ、魔力を纏ってその窓に体当たりし突き破って外に出る。その直後城の内部に警報が流れ出すがそんなことはお構いなしにシレットは逃げる。ただ只管に、生き延びる為に。
「はあっ、はあっ・・・現在位置は・・・」
それから数時間、走り続けてきたシレットだが流石に体力の消耗が激しくなり、その場で足を止めて振り返る。魔王の城から遠く離れる事は出来、追手もいないのを確認するとその場に座り込みそうになる。だが
「まだ、油断は・・・兎に角、近くにあるまだ制圧されていない街に・・・」
すると疲労で霞み始めたその視界に一つの町が入ってくる。だが霞があり、それが現実なのか幻想なのか区別がつかない。
「あれは・・・とにかくあそこに・・・」
半信半疑の状態でその場所に重い足を必死で動かし、向かうシレット。そして近づくとそこは幻影ではなく、実在する町だと分かる。更にその内部には魔神族がおらず、人族のみが確認出来た。それを確認出来たシレットは息もだえだえになりながら街の中に入るが、その直後に疲労が爆発したのか意識を失ってしまう。




