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真っ先に動く者は

「コンスタリオ・・・隊長・・・?」


同時にその口から出てきた返答も困惑がありありと感じられた。モイスにとって、コンスタリオからこんな質問をされるとは想像もしていなかったのだ。


「・・・御免なさい。答えは聞くんじゃなく、考えなきゃいけないわね」


モイスの反応に先程の質問を撤回するかのような発言をするコンスタリオ、だが質問の時と同様、その言葉にも弱気な雰囲気が混ざっていた。それを察したのか、モイスも


「そうですね。とにかく今はシレットの無事を祈るだけです」


とあえてそれ以上は追求せず、話を逸らす。モイスの真意に気付いたのかコンスタリオはそっと席を立ち、そのまま何も告げる事無く部屋を出ていく。そして、それから一週間が過ぎようとしていた。人族部隊はスリーリバーマウンテンの一件の傷も徐々にではあるが癒え、一方で反応を消しつつ接近する技術の有用性は証明されたという事でひとまず意気消沈からは脱しつつあったものの、コンスタリオ小隊は未だ内面の傷が癒えぬままに日々を過ごしていた。この一週間は魔神族の動きも無く、それがかえってコンスタリオ小隊の傷を深くしていた。魔神族との戦いがあればシレットの事が分かるかもしれない、そう思っていたのだ。


「今日であれから一週間か・・・つっ」


一週間の間、何もなかったことに却って苛立ちを募らせるコンスタリオ、だがその時、警報が鳴り始める。その警報に一瞬だけ笑みを浮かべるコンスタリオ、だが直ぐにそんな自分に対し軽く自己嫌悪を覚える。


「私が・・・敵襲を喜んでどうするの」


そう自分に言い聞かせ、外に出るコンスタリオ。城の入り口に到着するとそこには既に大勢の兵士が居た。そして兵士長は


「諸君、実は昨晩匿名で文章通信が入り、現在魔神族の部隊がブエルスより南下し、ここキャベルとの中間地点にあるシオルンへの侵攻を狙っている事が分かった。無論、シオルンを落とされてはキャベルの守りも危うくなる。よって直ちに出撃、魔神族部隊を迎撃する」


と伝達する。それを聞いた兵士達は直ちに移動車に乗り込み、シオルンへと向かう。移動中の車内でモイスが


「匿名の文章通信・・・信用に値するのでしょうか?」


とコンスタリオに呟くがコンスタリオは


「信用に値しなくてもこのままでは埒が明かないわ。罠であったとしても乗ってみる価値はあると思う」


とあくまで関わるべきという姿勢を貫く。それほどまでにこの時を待ち望んでいたのだ。


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