捕らわれのシレット
「何か考えがあるの?空弧」
真顔で語る空弧につられたのか、天之御も真剣な顔で返答する。空弧はそれを確認すると
「はい、まずはこれを見て下さい」
と言い、掌を掲げてその上にどこかの映像を表示する。その映像を見た星峰ははっとした顔を浮かべ
「この映っている場所は・・・」
とふと漏らす。そこは空弧との戦いの後、体が入れ替わった星峰が目覚めた場所、つまり天之御の城の牢屋であった。
「流石に星峰は直ぐに気付いたようですね。でも、問題は当然そこではありません。中をよく見て下さい」
空弧の言葉に全員が注目し、牢屋の中をじっと見つめる。するとそこには誰かが映し出されていた。その誰かを見た涙名と空弧以外の面々は顔を見て思わず驚きの表情を浮かべる。
「ね、ねえ、彼女はまさか・・・」
「シレット!?」
声を挙げたのは岬と星峰だが、他の面々も驚いたのは同じであった。スターの一軒で最も強い怒りを抱いている人族が牢屋の中に居るのだから。
「く、空弧、これは一体・・・」
天之御すらも驚きを隠しきれておらず、その声にも動揺が混ざる。それを見つつも空弧は
「これはですね・・・
~作戦途中~
雷撃の魔法をチャージし始め、あわや自爆しかねない状態となるシレット、だが当然、そんな状況をみすみす空弧と涙名が逃す筈はなかった。
「白銀の風!!」
そういうと空弧は加速して素早くシレットの懐に飛び込み、その腹部に蹴りを食らわせてバランスを崩させ、更に涙名も追撃をかけて首元に肘打ちをかけて気を失わせる。それを確認すると空弧は
「空間転移!!」
と言って周囲の兵士とシレットを妖術で何処かへと移動させる。
~現在~
という訳なんです」
とあっけらかんと、しかし強い意志を感じさせる言葉で説明する。




