5/6
5 作りすぎたから
なんかだるい、風邪でもひいたかな――――と思っているとドアを叩かれる。誰か来たようだ。
「こんにちは、作りすぎたからよかったらもらってくださる?」
姫ヶ竹さんが煮物タッパーならぬ謎のビンをくれた。
「どうも、てかなんなんですかこれ」
「エリクサアですつい先程管理人さんと実験しましたから」
エリクサアってゲームにでてくるあれか?
この前の実験ってあれだったのか……管理人さんだけはまともだと思っていたのに!!
姫ヶ竹さんが効能も言わずに帰ったのと同時に、新たな訪問者がきた。
「こんにちは私、107号室に引っ越して来たゼニモーケンナ=サセーンです」
「あ、どうも」
どうやら学生のようだ。
「これつまらないものなんですけど」
魔女がよく乗るホウキをもらった。
「なにこれ」
「ホウキです」
「なんで?」
「私ミーゲンヴェルドから地球へ短期留学に来たんです。なんでもくる予定だった子は資料から忘却されたとかで、たまたま私に白羽の矢がたちました」
「ミーゲンヴェルド?」
「あれ、知らないんですか?」
「うん知らない」
「あちゃー」
ゼニモーケンナは逃げた。