完全に平等な社会
高い科学技術力をもつ某国では、昨今貧富の格差の増大が大きな社会不安を巻き起こし、ついに貧困層のクーデターにより政府は倒された。
新しく某国の指導層となった貧困層の人々は、格差の解消ひいては、完全に平等な社会の確立を目指した。
そして、某国の政府を新しく指導層となった貧困層の人々ではなく、コンピューターに任せ、ロボットの兵士を動員し、全国民を管理することによって完全に平等な社会をついに確立させることに成功した。
しかし、某国は数日のうちに全国民が死に絶える結果となった。
なぜなら、コンピューターが国民が食料を得ることで、食料を得た国民とまだ得ていない国民に分かれるために、完全に平等な社会ではなくなると判断し、食料を買おうとする国民を、ロボットの兵士を動員し鎮圧したからである。
今、世界的に貧富の格差の解消が叫ばれているが、ある程度の格差に是正するに止めなければ社会が上手く回るはずなどないのである。