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あの日盗み聞きした通りに、数日後、レガード・レインという若い騎士が、わたしたちに求婚してきた。
わたしたちを同じように二人愛しているというその言葉に、わたしたちはあまりの嬉しさに震える両手でレガードの手を片方ずつ取った。
この国は一夫一妻制で、結婚のお披露目をする文化もちゃんとあるらしいけれど、聖女の婚姻は公にされることがないらしいから問題ない。
聖女は水晶に力を込め終えるまでの一年間は純潔でいないといけないから、暫くは結ばれることはできないけれど。
――陽気な「理奈」と内気な「怜奈」。
人前では決して崩れないこの設定が、レガードの前でだけはあっさりと崩れて「わたしたち」に戻るようになった。
あの言葉に一瞬で恋に叩き落とされたわたしたちだけど、レガードと三人で過ごすうちにますます彼が好きになっていった。
「リナ、レナ」
ああ、わたしたちの旦那様が呼んでいるわ。
「「なあに、レガード」」
大きく広げた腕で、わたしたちを同時に抱き寄せてくれる愛しい人。
本当に、わたしたちは、幸せ者ね。




