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Clown Virus  作者: KYOS
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code 051:

今回から「ちょっとマメ知識」をバージョンアップしてリニューアルします!

待ってた方、お待たせいたしました!

えっ、待ってない?

そんなことを言わずに!

「なにかあったのか?そんなに急いで」


そんなことを言いながら駆け寄るような足音を響かせている結弦。

とりあえず気になるから俺も行ってみよう。

そう思って地下室の奥へと向けていた足を180度Uターン、入り口へ駆けていく。

角を曲がると、階段の前で膝に手をついて荒い息をしている神北と、その傍らで息が整うのを待っている結弦の姿が見えた。


「大丈夫か、お前?」

「ちょ…ちょっと待って……」


そばまで寄って話しかけてみたけどまだぜぇぜぇ言ってる。

どれだけ走ってきたんだこいつ。

しばらく待って、深呼吸をするとようやくしゃべりだした。


「仲村からの伝言。『犯人のパソコンの接続が切れた、気を付けて』だってさ」

「それっていつごろの話だ?」

「えっと…、ここに来るまで走って5分かかったから10分ぐらい前のことだな」


走って5分!?

ここまで結構な距離あるぞ!?

今俺たちがいるこの実習室のある実習棟の周囲には、スパコンを維持するための様々な機械や設備が近くにある。

だから実習棟の周りにはいろいろ建物が立ち並んで、俺たちの部屋がある寮は少し離れた場所にある。

ちなみに寮からここまで普通に歩いて15分か20分ぐらい。

その距離を5分で走るとか、こいつやっぱ体力バカだ。

まあ、そのことはいいや。

10分前に接続が切れたって神北は言った。

その10分前俺たちは何をしてたか思い出す。

……仲良く結弦を質問攻めにしてたじゃん。

絶対その時に逃げられたよ、何やってんだ俺たち…。

自分たちのバカさ加減に思わず頭を抱えてしまう。

こういうのを後の祭りっていうんだろな。


「まあ、いいや。神池、お前も犯人あぶりだすの手伝ってくれ」

「んっ?何するんだ?」

「ここに来たことあるんだったら知ってるだろ?この奥が迷路みたいになってんの」

「いや、知らねーけど」

「あっそう。それは置いといて、その中に犯人が多分潜んでんだ。そいつを探し出す」

「OK、それじゃさっそく行くか?」

「あっ、そういえば仲村は?」


歩き出そうとした神北に、結弦があわてて声をかける。


「ん~と。なんかやってからこっちに来るって言ってたから、もうちょっとしたら来るだろ」


そんな結弦に、思い出すようにグレーチングの天井を眺めながら答えている神北。

それを何気なく眺めていて、ふと上から人の気配がした。


ちょっとマメ知識 リターンズ


結弦「ということで何か始まったけど、何で俺たちがこんなことやってんだ?」

仲村「作者が言うには『再開したんだから今まで通りじゃ面白くない。そうだ、登場人物に語らせよう!』っていう思い付きらしいよ?」

結弦「なんて迷惑な……」

仲村「そんなこと言わないの」

結弦「仕方ない、いっちょやってやるか」

仲村「そうだね」


結弦「とは言ったものの、何を説明すればいいんだ?」

仲村「えっと、これによれば……」

結弦「んっ?なんだ?その紙」

仲村「ここに来る前に作者に渡されたの」

結弦「だから来るのが遅かったのか。納得」

仲村「それで今日のテーマは『Linuxについて』だって」

結弦「なんでまた。前に作者が説明しなかったっけ?」

仲村「あっ、下に理由も書いてある」

結弦「どれどれ……『作者の気分』ってこれだけ!?」

仲村「すごく適当な理由だね……」

結弦「なんか先行きが思いやられる気がするけど……始めるか」

仲村「それじゃあ、Linuxの歴史から説明するね。

Linuxは1991年、フィンランドの『リーナス・トーバルズ』って人が作ったものなの」

結弦「俺たちが生まれた年か」

仲村「そうだね。説明を続けるよ?

大学生だったリーナスさんは当時普及してきたパソコンを使ってUnixと互換性をもつOSを作ろうとしたの。それが今のLinuxになったの」

結弦「ようはUnixみたいなOSを作りたかったってことだな」

仲村「そうだね。ちなみにLinuxっていうのは正確にはOSの心臓部であるカーネルっていうものなんだけど、一般的には、Linuxって言ったらUbuntuやFedoraみたいなもののことを言うの」

結弦「んっ?LinuxとUbuntuとかって何が違うんだ?」

仲村「Linuxはカーネルのことって言ったでしょ?実をいうとカーネルだけじゃOSとして動かないの。カーネルと一緒にウインドウを表示するソフトとかいろいろなソフトと組み合わせて、初めてOSとして機能するの」

結弦「ふ~ん。それじゃあ、その組み合わせるソフトを変えたら外観とか変わるのか?」

仲村「うん。Windowsと違って細かいところまで変えられるから、自分オリジナルのOSも簡単に作れるよ。ちなみにLinuxを組み込んでいるOSのことをLinuxディストリビューションって一般じゃ言ってるよ」

結弦「でもLinuxって難しくないのか?なんかコマンドを覚えなきゃいけないとか聞いたことあるけど」

仲村「大丈夫。昔はコマンドを覚えたほうがよかったことも多かったけど、最近はほとんどWindowsと同じように簡単に使えるようになってるから」

結弦「へ~、便利なもんだな。でも高いんじゃないのか?」

仲村「Linuxは基本的に無料なんだよ。インターネット上でコミュニティーっていう集まりがあって、そこでみんなボランティアで開発してるの。中には有料のものもあるけどほとんどのものは、ホームページに行けば無料でダウンロードできるよ」

結弦「ところで、ディストリビューションっていろいろなものがあるんだろ?どんなものを使えばいいんだ?」

仲村「有名なものだとUbuntuやDebian/Linux、Fedora。日本人が開発しているVine Linuxとかがあるね。他にもPuppy Linux、Tiny Coreとかいろいろ開発されてるよ。基本的には自分が気に入ったものを選べばいいけど……私のお勧めはUbuntuかな」

結弦「その理由は?」

仲村「最新のソフトが使われていて動作が安定してる、何より初心者にも使いやすいようにできてるの」

結弦「へ~。そういえば仲村は使ってないのか?」

仲村「使ってるよ。私のはDebianをベースにしてるの」

結弦「なんでDebian?」

仲村「Debianで使えるフリーソフトが他のディストリビューションより断然多いの。それに開発の歴史もすっごく長いからインターネットに情報がたくさん載ってて使いやすいからね」

結弦「いろいろ特徴があるんだな」

仲村「……というか、さっきから知らないふりして質問ばかりしてるけど結弦ばりばり使ってたよね?」

結弦「気のせいだ」

仲村「……まあいいや」

結弦「ということでLinuxに興味をもったならチャレンジしてみるのも面白いんじゃないか、という話だ」

仲村「まとめ方下手だね」

結弦「うるせー」

仲村「それじゃ、今日はこのぐらいにしよっか?」

結弦「そうだな。あとはこれを見てる人の興味と努力次第だ。まあ、がんばれ」

仲村「それじゃまた次回~!」

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