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お待たせしました!
「(あんた分かってないわね。こういうのは好きな人に誘われて行くのが一番うれしいに決まってるでしょ?)」
「(……そうなのか?)」
「(いや、俺に聞かれても)」
なんでそこで俺に振る。
「(とにかく!誰かと約束する前にさっさと誘いなさい!いいわね?)」
北園のその言葉に、ちょっと上を眺めて考える結弦。
そして何かを思い出したような顔をしたと思ったら。
「(それなら大丈夫だ。仲村と行く約束はもうしてる)」
なんて言いだした。
「(……それって、どっちから言い出したんだ?)」
「(そんなの詩織からに決まってんでしょ?結弦はこんなん何だから)」
結弦のその言葉を聞いてやっぱりと思った反面、意外に思う。
仲村は普段からおとなしくって、引っ込み思案で。
そんな性格だから俺たちといても滅多と自分からやりたいとか一緒に行こうとか言わない。
その仲村が自分から誘うなんて、よっぽど結弦と行きたかったんだな。
それなのに、こいつときたら。
「仲村も面倒なやつを気に入ったもんだな」
「ホントそうよね~」
思わず両側で二人でうなずく。
当の本人は頭に疑問符を浮かべてるし。
その様子を見て、また二人でため息をついてしまう。
……まあ、いいや。
そんなことを考えてたってしょうがない。
北園もあきらめたのか、それとも興味がなくなったのか、また電気室のほうに視線を戻してる。
一人まだ不思議な顔をしてるのがいるけど無視だ無視。
さて暇になったぞ、何してようか。
そういや最近ネット小説読んでないな。
そう思ってスマートフォンを取り出してインターネットブラウザを立ち上げる……ってあれ?
サーバに繋がりません?なんでだ?
アンテナ状態は……。
「(あっ、圏外)」
「(どうした?)」
俺のつぶやきに頭に浮かべていたハテナマークを消して画面を覗き込む結弦。
「(『サーバに繋がりません』、しかも圏外だし。これじゃ繋がるわけないじゃん……って圏外!?)」
「(うるさい)」
1発頭をぱしっと叩いておく。
耳元で騒ぐな、うるさいだろ。
だけどそんな俺の突込みを無視して携帯を取り出し、『ホントに圏外だ』とか言いながら電波状況を確認している。
「(何をいまさら。ここ地下だしスパコンを設置してる施設なんだから電磁シールドぐらい当たり前だろ)」
スーパーコンピュータやサーバを設置してるような施設は大体、そこらじゅうに飛び交っている電波に干渉しないようにだとか、外からの不正な電波を使ったサーバへの攻撃を防ぐためだとかで電磁シールドと呼ばれる電波を遮断するような仕掛けがある。
それが電磁シールドと呼ばれるものだ。
ここだってスーパーコンピュータを設置してんだから仕掛けられてるだろうし、携帯が圏外になるのも当たり前だ。
だけど結弦が慌てていたのはそんなことではなかったらしい。




