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小説に出てくるソフトを作ってみようかな~、と考えてる今日この頃です
あっ!
ウイルスじゃありませんよ!?
もうちょっとしたらでてきますんで
//--------------北園-----------------------------------------
始業式があった週の金曜日。
眠い~~~~、………っ!?
頬杖をつきながら授業を受けていたら、ついうとうとして顔面から机に突っ込みかけた。
とりあえず背筋を正して何事もなかったかのように振舞う。
そして周りに見られていなかったか、さりげなく確認する。
―――よし、大丈夫みたいね。
ぎりぎり誰にも見られてなかったみたいだ。
それにしても…暇だ。
学科での授業が始まったのはいいんだけど、最初の2、3週間は今までの復習らしい。
一応それなりに勉強をしてるつもりだから基礎の基礎なんか聞いてもつまらないだけ。
だから小説を持ってこようと思ってたんだけど、あいにく自分の部屋の机の上に忘れてきてしまった。
やることがなくてぼ~っとそのまま授業を受けてたら、隣から腕をつつかれる。
そっちに目をやると、隣の席の男子が声をかけてきた。
「ねえ、ちょっと教科書貸してくれないかな?」
なんとなくその男子の机を見るとノートはあるけど教科書がなかった。
まあ、どうせ授業なんて聞いてないから「どうぞ」と言って渡す。
男子は「ありがと」と言って、再び授業に戻る。
仕方がない、寝ようかな、先生にばれないように。
そうして私は眠りの闇に落ちていった。
「北園さん、授業終わったよ」
「んっ……」
誰かに揺り動かされて眼を覚ます。
ぼんやりとしていた意識がだんだんとはっきりしてくる。
周りを見てみるともうほとんど机にはいなくて、たぶん休み時間だからどこかに行ったんだろう。
「起きた?」
声のしたほうを見てみると、さっき教科書を貸した中野がいた。
「やっと授業終わったか~」
あくびをしながら伸びをする。
のんびりしてる私の横で中野はずっと立っている。
「なに?」
「教科書を返そうと思って」
「ああ、だったら私の机に置いといてくれればいいのに」
わざわざ声かけなくても、というのは言わないでおく。
「ありがとね、困ったときは僕に言ってくれるとうれしいな」
「まあ、考えとく」
そう言って、中野はどこかに行こうとして――思い出したように振り替える。
「そうだ、この間はありがとうって、竜崎君と神鷹君に言っといてくれない」
「へっ?なにそれ。何かしたの?」
「僕のパソコンがウイルスに感染しちゃったから駆除してもらったんだ、助かったよ」
「ふ~ん、分かった伝えとくわ」
そう返すと、今度こそ中野はどこかへ行ってしまった。
たぶん彼が竜崎に頼んでまた結弦が駆り出されたんだろう。
結弦がちょっと気の毒かも。
そんなことを思いながらどうしようかな、と考える。
私もちょっとジュースでも買ってこよ。
正直このままだと、お昼休みまでの残り2時間も寝て過ごしそうだからのど渇いたし外に出ることにした。




