code 018:
感想・批評お待ちしてます
「たぶんウイルスを流したコンピュータがネットワークに繋がってないんだと思う」
「へ?なんで?」
いまいち分からない。
「あのソフトはサーバに残ってるログを見て、そのログのIPアドレスにpingをして返事が返ってきたらそこに移動して、ていう風に作ってるから。途中でログを消されたらそこで止まっちゃうしネットワークから切り離されてたらpingしても返事返ってこないから」
…たしかpingってのは指定したIPアドレスに適当なデータを送ってみて、それで返事が返ってくるかどうかでそのIPアドレスを持ってる相手がネットワークに繋がってるか調べるコマンドだったはずだ。
pingをして返事が返ってこないってことはネットワークから切り離されてるってことか。
じゃあ、途中で止まるわけだ…って、待てよ。
「なんでネットワークから切り離されてるってことになるんだ?サーバのログを消されたってこともあるんじゃないのか?」
「解析結果を見たときに、サーバに進入する方法を知らないような印象を持ったから。あくまで予想だから分からないけど」
…なるほど、ソースコードでそんなことまで感じることができるのか、やっぱ奥が深いな。
「それで、詳しくは見れないのか?見失う直前のログとか」
「見れるけど携帯から操作なんてできないし」
「やっぱ無理か。とりあえず飯行こうぜ」
「うん」
これ以上ここで話していても意味がないからさっさと昼飯を食べよう。
俺は椅子から立ち上がり仲村を引き連れて、実習室の出口に向かうのだった。
//--------------仲村-----------------------------------------
「やっぱ混んでるな…」
「だね…」
今はお昼の真っ最中。
場所は学食。
混んでないわけはないんだけど、時間を少しずらしただけでここまで混みようが違うとは思わなかった。
いつも私達、幼馴染のメンバー5人は4時間目の鐘がなるとすぐさま学食に駆け込んでたから、さほど人は気にならなかったんだけど…。
「ゆり達、いる?」
「ん~。北園はおろか案外背の高い神池すら見えない」
私より背の高い結弦すら先が見渡せなくなるほど人で混んでた。
「どうする?パンにでもするか?」
「でもそれじゃあ、結弦がお腹すかない?」
結弦は細身の体に似合わず案外食べる。
それに前、先生に用事を頼まれてぎりぎりに学食に滑り込んで、だけど半分ぐらいかき込んだところでタイムアップになっちゃって。
その時は、放課後までずっとお腹を鳴らしていた記憶がある。
「大丈夫だって。余分に買うから。それにこんなに混んでちゃお前が机までたどり着けるか心配だしな」
「…そんなことないもん」
ちょっとすねてみる。
確かに以前もこのぐらいの時間帯に来てしまったとき、何とか料理は確保したものの人ごみで動けなくなったことがあった。