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始業式の次の日です
感想、批評お待ちしてます!
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始業式の次の日。
この日から通常授業が始まって俺達はスパコンの置いてあるあの寒い実習室で授業を受けていた。
今は4時間目がちょうど半分ぐらいが過ぎた頃だ。
ちなみに朝からずっとここで授業をしているんだけど、薄着で来てた連中の半分ぐらいが保健室送りになっている。
恐るべきスパコンルームの冷房…。
そんな授業を頬杖つきながらぼ~っと受けていると、ポケットの携帯が震えだす。
先生がホワイトボードに教科書の写しを書くため後ろを向いた隙に机の下で携帯を開き送信元を確認すると、自分のパソコンのアドレスだった。
そういえば昨日、仲村に頼んで追尾プログラムでウイルスの感染ルートを調べてもらってたのをすっかり忘れていた。
感染ルートを自動追尾する設定にしたあと、結果が出たら俺と仲村の携帯にメールが届くようにしてもらってた。
それが今届いたらしい。
詳しい結果はパソコンを見ないと分からないけど、送信元のIPアドレスやMACアドレスなど最低限の結果だけは表示するようになっている。
とりあえずメールを開いてみる。
―――IPアドレス:Unknown
―――MACアドレス:Unknown
「はっ?」
「どうかしましたか?神鷹君?」
「あっ、いえ。なんでもないです」
思わず変な声を出してしまったけど、これには目を疑った。
今まで何回か仲村のあのソフトでウイルスの感染ルートを調べてもらったことがあるけど見つからなかったことはこれが初めてだ。
とりあえず、仲村に聞いてみようとメールをうつ。
『IPアドレスもMACアドレスも見つからないけど、これってどういう事だ?』
…よし、送信完了。
しばらく白板を眺めていると返信が返ってくる。
『今、授業中』
………
きちんと授業を受けろと怒られた。
まあ、急ぐことでもないから授業が終わるまで机の上のパソコンをいじって遊んでいた。
「それじゃ午前中の授業を終わります」
「ありがとうございました~」
全員の号令でやっと授業が終わった。
そのまま机に座りなおしてもう一度さっきの結果のメールを眺めてみる。
けど、やっぱりいまいちよく分からない。
「…結弦、まじめに授業受けないと駄目だよ」
と、いつの間にか仲村がそばに来ていた。
「悪い悪い。それでどういうことなんだ?これ」
苦笑いで返しつつ聞いてみる。
仲村は口元に手を当てて、しばらく考え込んだあと話し始めた。