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//--------------北園-----------------------------------------
「はぁ~…」
同じ作業の繰り返しに思わずため息をもらしてしまう私。
ここは、この国立富士城学園が誇るスパコンである[FUJISHIRO]が設置されている実習室。
その[FUJISHIRO]の裏側でさっきから延々とLANケーブルを挿してまわっていた。
計算システムの授業の集合場所であるこの実習室でつまらない説明や諸注意を聞いて今日は解散になったのだけど、そのあとが暇になってしまって。
暇つぶしにスパコンを眺めてまわっていたら、たまたま近くで何かの作業をしていた先生に捕まってしまい配線作業を手伝わされる羽目になってしまった。
かれこれ1時間はず~~っとLANケーブルを挿してまわっている。
「はぁ~…」
ため息しか出てこない。
ちょうどこの区画のLANケーブルを挿し終えたからカバーを閉じて、伸びをする。
ついでに横目でどのくらい残っているかチラッと見てみた。
「………」
見て後悔した。
何しろまだできていないところが30メートル先まで続いている。
「…はぁ」
やる気がなくなってしまった。
ちょっと気晴らしに外で何か飲んでこよ。
そう思って財布がポケットにないことに気づく。
そういえば作業に邪魔だからって教室においてある自分のカバンに入れてきたんだ。
そのことを思い出し計算システムの教室まで戻る。
と、教室に備え付けられているパソコンで誰かが何かしている。
何やってるのかしら?
遠目から見てる限り何か操作してるようにしか見えない。
近づいてみるとそれは見知った人間だった。
「こんなところで何してるのよ?竜崎」
とりあえず声をかけてみる。
「ん?北園じゃん。そっちこそ何やってんの?」
「私は先生に手伝いさせられちゃって。で、あんたは私の机で何やってんの?」
そう、竜崎が今座ってる机は私の席だ。
まあカバンは机の横にかけてるから別に邪魔にはなってないけど。
「えっ?ここってお前の席だったのか?悪い悪い、適当に座ったからさ」
そう言いながらもまったく悪びれた様子はない。
別に文句を言う気もないけど。
「それで?何やってんの?」
「ああ。ちょっと興味を持ったからキーロガーもどきを作ってる最中だった」
「…もしかして私を監視するつもりだった?」
ちょっと冗談で言ってみる。
「んな!?な、な訳ねえよ!第一データを送信する機能ないし!」
冗談で言ったのに本気にしたようだ。
ちょっと面白い。
「へぇ~。そんなこと言って、ホントは変なこと考えてたんじゃないの?」
「そんな訳ねえだろ!」
「ホントに?」
「ホントにホント」
竜崎をからかうのはホントに面白い。
情報遅いですけど少し前にテレビで量子暗号を取り上げていました
量子暗号というのは量子力学の特性を利用した暗号通信のことで、これが実用化された場合まったく盗聴されない通信ができるそうです
今はまだデスクトップパソコン並みの大きさでしたが、そのうち小型化して携帯みたいなものにも載せれるようにするらしいです
技術って日々進歩してるんですね~